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 昨日北海道知事の鈴木直道氏が道民に対して緊急事態宣言を発令し、少なくとも3週間は外出を控えるよう声明を発表しました。これにより、JR北海道が倒産するという最悪の可能性が現実味を帯びてきました。JR北海道が倒産したら一体どうなるのでしょうか?

北海道で緊急事態宣言

 北海道の鈴木直道知事は28日、道の新型コロナウイルスに関する対策会議で「緊急事態宣言」を出し、今週末は外出を控えるよう道民に協力を呼び掛けた。期間は同日から3月19日まで。北海道では28日までに国内最多の66件の感染者が確認されている。

 鈴木知事はNHKが中継した同会議で、道内での感染状況について「このままでは感染拡大が急速に広がっていく」と懸念を表明した上で、「一日も早くこの問題を収束させ、道民の命と健康を守り、暮らしへの影響を最小のものとしていくためにはまさに今がヤマ場だ。これまでに経験のない思い切った対策が必要だ」と語った。

 北海道では1月28日に1例目が確認された後、感染者が増加。同知事は会議で、現状について感染者が全道の広い地域で確認されていると指摘し、「各地域から人が集まり、また地域に分散するという北海道の都市構造上の問題も踏まえ、感染拡大のスピードを抑える対策が必要だ」とも述べた。

 新型コロナウイルス感染症が北海道で急拡大している背景には、冬季の観光客が多いことを専門家らは指摘している。有名な「さっぽろ雪まつり」には毎年世界各地から数百万人の観光客が訪れる。ニセコなどのスキー場もパウダースノーで世界的に有名だ。

 北海道医療大学の塚本容子教授(臨床看護学)は「日本国内だけでなく、国外からも冬季に多くの人がやってくる。こうした往来が感染者の原因となっている」との見方を示した。

引用:北海道知事が新型肺炎で緊急事態宣言、今週末の外出自粛要請

 北海道知事はずいぶん思い切ったことをしましたね。 知事の道民のことを考えた決断は、どんな結果になったとしても、高い評価をされるのではないでしょうか。

 それに対して、政府の対応のまずさが余計に際立ちますね…

https://twitter.com/nami_pr/status/1233649870465982465
https://twitter.com/takasantaka123/status/1233894549866471425

JR北海道の支援は望み薄、倒産へ?

 JR北海道への支援ですが、これに関しては北海道庁は利用促進以外の支援を全面拒否しています。これは、沿線の自治体も同様です。

 一方で国側は「地元が鉄道を残す意志が強くあり、なおかつ自治体側が資金を拠出するなら支援は惜しまない」 ということを言っていますが、これは北海道に限ったことではなく、実際大きな被害を受け存続が危ぶまれていた三陸鉄道や上田電鉄は沿線自治体が相応の負担をしたことで国側の支援を取り付けています。

 今回の北海道庁や沿線自治体の支援内容では、さすがに資金を拠出してきた国側もこれ以上の支援はできないものと思われます。

 …ということで、国側のこれ以上の支援が望めず、北海道庁・沿線自治体による支援もない、となった場合今後JR北海道はどうなるのか?を考えてみます。

最悪のシナリオ:突然の運行停止

 最悪のシナリオはJR北海道が突然破綻し、営業を停止することでしょう。ある日列車は来なかった、が現実になるかもしれません。

 航空会社ではそのような事例が実際に存在し、近年ではイギリスの旅行会社「トーマス・クック」が破綻して大混乱となり、イギリス政府とCAAにより最大規模の帰還作戦「マッターホルン作戦」が実行されたのは記憶に新しいところです。

 …もっともこのシナリオとなっては、いくら北海道で鉄道の需要が薄いとはいっても、新千歳空港の利用客などは大混乱に陥るでしょう。さすがにこのシナリオは回避したいところです。

 しかし、北海道から鉄道が全廃されてバスと航空で中長距離の輸送を担う、となった場合どうなるか?というのも興味があるところです。もしそうなった場合には「SunQパス」の北海道バージョンが登場(SunHパス?)するのでしょうか。

乗車券類やICカードはどうなる?

 結論から申し上げますと、JR北海道が発行している交通系ICカード「Kitaca」や JR北海道のツインクル旅行券 については資金決済法が適用されますので、万が一倒産しても供託金から少なくとも半分は返ってきます

 一方、乗車券や特急券などは資金決済法の対象外ですので、運行できずに倒産してしまった場合にはただの紙切れとなってしまいます。債権者として債務を届け出ても、恐らくほとんど返ってこないでしょう。

 従ってJR北海道のKitacaへのチャージや定期券、乗車券類の購入は暫く控えた方がいいかもしれません。

会社更生or民事再生法で再建へ? 

Court Cat - 北海道が緊急事態宣言発令!JR北海道倒産へ?
引用:裁判所猫

 さすがに運行停止は避けたいでしょうし、そうなると「会社更生法」か「民事再生法」で再建することが考えられます。

  「民事再生法」での再建となると手続きは簡素ですし、会社財産の処分や新スポンサーとの交渉・入札も会社が主体となって行えますが、経営陣がそのまま残って再建を行うというのをはたして債権者が納得するのかどうか?、利害関係者の数が多すぎて調整が難しいのではないか?という問題があります。

  一方「会社更生法」での再建の場合は裁判所が選任した管財人が再建業務を実施し、経営陣は原則として総退陣します。 会社財産の処分は全て管財人のもとで手続きに沿って進められることになり、債権者が勝手に会社財産を競売にかけることは認められません。 こちらは厳格に手続きを行う分手続きに時間がかかること、予納金が高額となることが問題になりそうです。

JR東日本が救済合併?

JR East E235 Series No.14 Formation 20180609 1024x689 - 北海道が緊急事態宣言発令!JR北海道倒産へ?
引用:E235系

 あと考えられるとすればJR東日本との合併でしょうか。しかし、これは現実味がなさそうですし、合併するとしても大幅な路線の廃止と値上げは避けられないのではないでしょうか。

 確実に存続しそうなのは「北斗」・「ライラック」が走る函館本線(函館~長万部・小樽~旭川)・室蘭線(長万部~沼ノ端・室蘭支線)・千歳線と札沼線だけでしょうか。北海道新幹線開業後は函館本線(函館~長万部)も並行在来線として分離するでしょう。

 これに加えて富良野線と石勝線・根室線の南千歳~釧路間なら引き受けてくれそうですが、ほかの路線に関しては廃止になるものと思われます。

 ただ、上にあげた路線でもそれなりに赤字が出てしまうでしょうし、果たしてJR東日本の株主は救済合併に合意してくれるのか?という問題は残りますね。

 加えて、下手を打てば株主代表訴訟を起こされて文字通り身ぐるみ剥がされる可能性もありますからJR北海道との救済合併は承認しづらいでしょう…