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 東京メトロ日比谷線で運行を続けてきた03系。後継の13000系に置き換えられつつありましたが、最後の一本だった03-136Fが2/28に運行を終了し先日竹ノ塚分室へ回送されました。今回は03系の概要などと今後の活躍についての展望をまとめました。

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03系の概要

03系
引用:03系

 03系は日比谷線の3000系の置き換え・車両冷房実施を目的として1988年に登場・日比谷線と当時乗り入れ先であった東急東横線・東武伊勢崎線で運行を開始しました。1994年までに42編成が製造されています。

 当時日本国内の鉄道車両では前例のない車両制御情報管理装置(TIS)を初めて採用し、配線の効率化や乗務員支援、定期検査時の効率化を実現しました。そして以降の営団地下鉄の新系列車両(02系以外の0xシリーズ)の標準装備となっています。

 前期車と呼称される第25編成までは制御方式に高周波分巻チョッパとSUミンデン式ボルスタレス台車を採用、第26~42編成ではIGBT-VVVFインバータ制御とモノリンク式ボルスタレス台車を採用しています。

 客用ドアの車内側上部にはLED式の車内案内表示器、ドアチャイムが装備され、自動放送も設置されました。

03系 5扉車
引用:03系

 なお、このほかの大きな特徴として朝ラッシュ時の乗降時間を短縮するために編成の両端の2両を5扉車とした編成が存在していました(09~28編成)。5扉車では第2・4番目の扉を締め切りにすることが可能で、始発駅では締め切る運用が行われています。当初は東武線内も締め切りの措置が取られていましたが、1993年3月からは全扉を開閉する運用となっています。

 朝ラッシュピーク時の北千住発車の列車に重点的に運用され、同時期に東武鉄道も乗り入れ車20000系の5扉車バージョンである20050系を投入しています。

 他系列の多扉車とは異なり、ラッシュ時でも座席の収納は行われませんでした。

13000系によって置き換え

13000系
引用:13000系

 2013年春のダイヤ改正で東横線への乗り入れは終了し、以降は日比谷線と東武伊勢崎線で活躍を続けてきました。また、2012~15年にかけて初期車の01~08編成については制御装置のVVVFインバーター制御化が行われています。

 しかし、製造から年数が経過し他車と比べて見劣りするようになり、ドア数などの問題から2017年度より後継の13000系(7両編成・4扉車)が導入されました。これにより廃車が始まり、翌年10月には5扉車が全車廃車になりました。

 その後、一部の車両が短編成化され地方の私鉄に譲渡されています。

とことん不遇な03系、ラストランも無し…

 正直03系はかなり不幸なイメージがありますね。5扉車という特殊な構造を採用した結果廃車が早まる結果となり、2度の事故(営団日比谷線中目黒駅構内列車脱線衝突事故)と事件(地下鉄サリン事件)に巻き込まれるなど散々な目に合っています。

 先日最後の編成が運用離脱しましたが、なんと6000系ラストランの時の騒動などが問題視されたのか?特段の装飾もなくイベントも告知も無しで運用を離脱。そのまま廃車回送されるという悲しい結末を迎えてしまいました…

https://twitter.com/One__013/status/1234349869843640320

一部鉄道ファンが招いた最悪の結末

 東京メトロさんも長年日比谷線の輸送に貢献してきた03系のさよならイベントを本当は(コロナとかがなければ)行いたかったはずなんですよね。

 しかし、一部の鉄道マニアが暴走したことが原因で今回はラストランの実施が見送られました。

 こういうことが起きるのを危惧して今回はラストランの実施を見送った東京メトロが公言していますし、東武20000系などのラストランも見送られる可能性がありそうです。これを機に少しは反省して頂きたいですね。