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 JR西日本が福知山線で脱線事故を起こし今年で15年を迎えました。今年はコロナ禍で式典等は中止されたわけですが、この事件の概要や筆者の考えを改めてまとめておきたいと思います。

脱線事後の概要

 事件は4/25の9:18に福知山線塚口駅~尼崎駅間の右カーブ区間を宝塚発JR東西線・学研都市線経由同志社前行き上り快速5418M(207系7両編成、当該はZ16編成+S18編成)が当該箇所の速度規制を大幅に超過して侵入し、カーブを曲がり切れずに脱線に至ったものです。

 先頭の2両は線路脇の分譲マンション「エフュージョン尼崎」に激突。先頭車は1階ピロティ部の駐車場へ突入、2両目はマンション外壁へ横から激突した上、さらに脱線逸脱してきた3・4両目と挟まれて圧壊しました。このとき3・4両目は反対側の下り線路を支障するかたちとなりました。

 外壁にへばりつくような状態で、1・2両目は原形を留めないほど大破し、被害の大きかった先頭車と2号車に多くの死者が集中しています。

 事故発生と同時刻に、並行する下り線に新大阪発城崎温泉行きの特急「北近畿3号」が接近中だったものの、事故を目撃した近隣住民が近くの踏切非常ボタンを押したため列車はおよそ100m手前で緊急停止して防護無線を発報。二重衝突事故は辛うじて回避されました。

 最終的には死者107名(当該列車の運転士含む)、負傷者562名という最悪の事故となってしまいました。

 JR発足後の事故による死者数は1991年に起きた信楽高原鐵道列車衝突事故(死者42名)を大幅に上回る史上最悪の死者数となりました。戦後でも4番目、戦前まで含めても7番目というワースト記録です。

原因は何なのか?

 直接的な原因は高見隆二郎運転士の無謀なスピードの出しすぎにあることは言うまでもありません。しかし、これ以外にも以下のことが指摘されています。

  • 福知山線に設置されていた自動列車停止装置(ATS-SW)がJR西日本ではもっとも古いタイプのもので、しかも速度照査用の地上設備が当該箇所には設置されていなかったこと。
  • 余裕時分のないダイヤを組んでおり、遅延に対し余裕がなかった。
  • 厳しい「日勤教育」が原因で乗務員の精神的プレッシャーを増大させていた。
  • 車両のメンテナンスがいい加減で、車輪の偏りが放置され、速度計の検査も行われていなかった。

 これらのことが複合して起きた事故ということが言えるでしょうね。

そもそも適正はあったのか?

 まあ、一番の原因が高見隆二郎運転士にあることは言うまでもありません。そもそも論として彼に運転士としての適性があったのか?という点も大きな問題になってきます。

 今回事故を起こした高見隆二郎運転士は、見習い期間を含めて過去に3度も訓告や厳重注意処分を受けています。内容というのが呆れるような初歩的な事ばかりで車掌時代に別の運転士がオーバーランした際非常停止ブレーキを引かなかったこと、居眠り(!)、更に運転士に成り立ての2004年6月に起こした100mものオーバーラン。

 この時点で運転士の適性なしということで免職に、そこまでいかなくても運転業務から外せば事故は起きていなかったわけです。ちなみに彼は福知山線脱線事故の直前にも40mのオーバーランをしています。

 はっきり言って彼は運転士としての適性を著しく欠いていた、と言わざるを得ませんね。更に、事故直前の車掌とのやり取りでは意味不明なことも言っています。こいつ、知的障害もあったのではないでしょうかね?

 最も、ここで事故を起こしてくれたことで106人の犠牲で済んだという言い方もできそうです。この方、何と特急や新幹線の運転士を目指していたということで、そこで事故を起こしていたら犠牲者はもっと出ていたかもしれませんからね。

 多くの人命を預かる運転士なのですから、適性の有無はもっと厳格に行うべきでしょう。

最後に

 幸い、その後JR西日本では死傷者が複数出るような重大事故は起きておらず、ATS-Pの導入やEB・TE装置導入、新型車両における乗務員の安全を守る設計など様々な改良が行われています。

 ただし、ここ数年は新幹線から異音が検知されたにもかかわらず運転を続けてしまうなど、安全第一の原則が次第にまた疎かになってきているような事例が起きています。今一度見直しを行うべきでしょう。