東京〜青森は、青春18きっぷで旅行するときには難しい区間です。というのも、東北本線でまっすぐ北上した場合、盛岡〜青森間が並行在来線として分離されてしまっているため、乗れないのです。
青春18きっぷのみで移動できるのは、秋田を経由するルートがメインで、片道17時間あまりです。ほぼ一日中移動することになります。
具体的な乗り継ぎは?
「JTB時刻表」2019年3月号で調べたところ、東京~青森間を普通列車だけで1日で移動できる乗り継ぎ時刻は以下の通りです。
新潟ルート
- 東京 5:01発→上野 5:09着(京浜東北線)
- 上野 5:13発→高崎 6:55着
- 高崎 7:12発→水上 8:17着
- 水上 8:28発→長岡 10:18着
- 長岡 10:29発→新潟 11:29着
- 新潟 11:41発→村上 12:57着
- 村上 13:47発→酒田 16:17着
- 酒田 16:30発→秋田 18:19着
- 秋田 19:20発→青森 22:13着 (快速列車)
こちらのルートですと、新潟まで高崎線・上越線・信越線で縦断した後、延々と日本海沿いに羽越線・奥羽本線を北上することになります。
さらに、上野~高崎と水上~酒田まではクロスシート付の車両で移動できるのも大きいです。ちなみに、酒田~青森間はごく一部の車両にクロスシートが設置されていますが、基本的にはロングシートでの移動となります。ここは我慢するしかありません。
昼食ですが、長岡・新潟駅で駅弁を購入するか、村上駅のニューデイズで購入するのがよいでしょう。夕食は秋田駅でとることになります。
山形・新庄ルート
- 東京 4:46発→上野 4:54着
- 上野 5:10発→宇都宮 6:51着
- 宇都宮 6:59発→黒磯 7:49着
- 黒磯 7:54発→新白河 8:18着
- 新白河 8:22発→郡山 9:03着
- 郡山 9:25発→福島 10:11着
- 福島 10:40発→仙台 11:56着
- 仙台 12:11発→羽前千歳 13:27着
- 羽前千歳 13:39発→新庄 14:42着
- 新庄 15:40発→秋田 18:11着
- 秋田 19:20発→青森 22:13着 (快速列車)
こちらは途中の仙台まで東北本線を北上し、仙台から仙山線・奥羽本線経由で青森まで向かうルートとなります。
仙山線はクロスシートがありますが、新庄からはロングシートの可能性が高く、東北本線も701系の列車にあたってしまうとロングシートでの移動となるため、ロングシートでの移動時間がかなり長くなってしまいます。また、夕食は秋田駅でとれば良さそうですが、昼食をどうするかが問題になるでしょう。羽前千歳駅の周辺にはコンビニがありませんので、郡山・福島・仙台駅のいずれかで駅弁等を購入し、仙山線でクロスシートを確保して食事をとるのが現実的でしょう。
北上線ルート
- 仙台駅までは「山形・新庄ルート」と同じ
- 仙台 12:45発→小牛田 13:30着
- 小牛田 13:43発→一ノ関 14:29着
- 一ノ関 14:43発→北上 15:21着
- 北上 16:40発→横手 17:59着
- 横手 18:05発→秋田 19:12着
- 秋田 19:20発→青森 22:13着(快速列車)
こちらは北上まで東北本線を北上し、「北上線」で横手へ抜けて奥羽本線で青森へ向かうルートです。
このルートの場合、仙台駅でゆっくりと昼食をとることができます。が、夕食をどうするのかが問題になりそうです。奥羽本線の701系はほとんどがロングシートですから食事をとるには適していません。青森駅まで我慢しなければならない可能性が高いです。
花輪線ルート
- 一ノ関までは「北上線ルート」と同じ
- 一ノ関 14:43発→盛岡 16:11着
- 盛岡 18:03発→大館 20:52着
- 大館 20:55発→青森 22:13着
このルートですと、盛岡まで東北本線をひたすら北上し、盛岡から花輪線と奥羽本線を乗り継ぐことになります。なお、青春18きっぷで乗車の場合、 盛岡~好摩間はIGRいわて銀河鉄道なので、別運賃 650円を支払う必要があります。
しかし、このルートでしたら昼食を仙台駅でゆっくり取れるだけではなく、夕食に関しても盛岡駅でとるなり、駅弁を購入するなり、好きな方法でゆったりととれます。
ただしこのルート、一ノ関駅を16:30発の普通列車で行こうとすると、盛岡駅にわずか1分間に合わないのです。あと5分出発を繰り上げてくれれば花輪線の列車に接続し、乗り継ぎが劇的に改善するので、何とか改善してもらいたいところです。JR東日本のご意見・ご要望のフォームはこちらです。
盛岡~八戸をワープする場合
盛岡~八戸間は並行在来線として分離されてしまっているため、青春18きっぷでは乗車することができません。なので、東北新幹線で行くか、盛岡~八戸を並行して走っている高速バス「八盛号」を使うことになります。
東北新幹線を使う場合は?
東北新幹線でワープする場合、盛岡~八戸間の運賃1660円+特定特急券1840円の合計3500円かかります。しかし、これを使えば、東京発はかなり遅く出発しても青森駅までその日のうちに行けます。 また、始発で行けば、かなり早い時刻に青森駅に着けます。 なお、八戸~青森間は青い森鉄道ですが、途中下車しなければ(野辺地駅除く)青春18きっぷで使用可能です。
- 新宿 10:35発→宇都宮 12:14着(湘南新宿ライン快速)
- 宇都宮 12:17発→黒磯 13:09着
- 黒磯 13:19発→新白河 13:43着
- 新白河 13:57発→郡山 14:37着
- 郡山 14:53発→福島 15:40着
- 福島 15:45発→仙台 17:09着
- 仙台 17:42発→一ノ関 19:22着
- 一ノ関 19:31発→盛岡21:02着
- 盛岡 21:38発→八戸 22:06着(はやぶさ37号)
- 八戸 22:22発→青森 23:54着
平日限定ですが、常磐線回りで行けば乗り継ぎ回数が1回減らすことができます。
- 上野 8:45発→水戸 10:57着
- 水戸 11:10発→いわき 12:37着
- いわき 13:13発→郡山 14:48着
- 郡山からの乗り継ぎは上に同じ
なお、東京駅を始発で出た場合は以下のようになり、青森駅に19時前に着いてしまいます。
- 盛岡駅までは「花輪線ルート」と同じ
- 盛岡 16:37発→八戸 17:05着(はやぶさ25号)
- 八戸 17:14発→青森 18:56着
八盛号を使う場合
盛岡~八戸間を高速バス「八盛号」を使う場合、以下のようになります。なお、八盛号の盛岡~八戸間の運賃は2000円なので、IGRいわて銀河鉄道より安いです。しかも、車内はリクライニングシートが並ぶので、 IGRいわて銀河鉄道 のロングシートよりも快適に移動できます。
- 東京 7:07発→宇都宮 8:58着
- 宇都宮 9:12発→黒磯 10:04着
- 黒磯 10:25発→新白河 10:49着
- 新白河 10:54発→郡山 11:32着
- 郡山 11:39発→福島 12:27着
- 福島 12:40発→仙台 13:55着(仙台シティラビット5号)
- 仙台 14:35発→小牛田 15:20着
- 小牛田 15:35発→一ノ関 16:23着
- 一ノ関 16:30発→盛岡 18:04着
- 盛岡 18:25発→八戸(ラピアBT) 20:45着(八盛号)
- 八戸 21:22発→青森 22:54着
北海道&東日本パスの場合
北海道&東日本パスの場合、「 IGRいわて銀河鉄道 」も利用できるので、東京~青森間を東北本線沿いにひたすら北上できます。
- 東京 9:12発→宇都宮 11:07着(平日)
- 新宿 9:25発→宇都宮 11:06着 (土休日、湘南新宿ライン快速)
- 宇都宮 11:19発→黒磯 12:10着
- 黒磯 12:15発→新白河 12:39着
- 新白河 12:57発→郡山 13:37着
- 郡山 13:40発→福島 14:26着
- 福島 14:40発→仙台 16:00着
- 仙台 16:43発→小牛田 17:27着
- 小牛田 17:37発→一ノ関 18:24着
- 一ノ関 18:40発→盛岡 20:11着
- 盛岡 20:18発→八戸 22:07着
- 八戸 22:22発→青森 23:54着
東京発が二時間ほど早くなってしまいますが、水郡線経由で行けば乗り継ぎ回数がかなり少なくなります。
- 上野 7:03発→水戸 9:00着
- 水戸 9:23発→郡山 12:33着
- 郡山から先の乗り継ぎは上に同じ
また、「北海道&東日本パス」の場合、北海道新幹線に特定特急券を買えば新青森~新函館北斗を移動でき、その日のうちに函館駅に到着できます。
- 新青森 22:32発→新函館北斗 23:29着 (はやぶさ37号)
- 新函館北斗 23:40発→函館 23:59着 (はこだてライナー)
これに乗り継ぐには「新潟ルート」、「山形・新庄ルート」、「北上線ルート」、「花輪線ルート」いずれも乗り継ぎ可能です。東北本線を北上する場合の時刻は以下の通り。
- 盛岡駅までは「八盛号」ルートと同じ
- 盛岡 18:15発→八戸 20:05着
- 八戸 20:31発→青森 22:06着
- 青森 22:19発→新青森22:24着
青森から東京へ向かうには?
「JTB時刻表」2019年3月号で調べたところ、青森~東京間を普通列車だけで1日で移動できる乗り継ぎ時刻は以下の通りです。
酒田ルート
先のように上越方面に向かっても、上越線の「水上行」に間に合いません。酒田からは陸羽西線で新庄方面に向かうことになります。
- 青森 5:41発→弘前 6:21着
- 弘前 6:25発→秋田 8:43着
- 秋田 9:13発→酒田 11:08着
- 酒田 11:45発→新庄 12:50着
- 新庄 13:01発→鳴子温泉 14:04着
- 鳴子温泉 14:10発→小牛田 15:10着
- 小牛田 15:42発→仙台 16:30着
- 仙台 17:01発→福島 18:22着
- 福島 18:50発→新白河 20:23着
- 新白河 20:28発→黒磯 20:51着
- 黒磯 20:56発→宇都宮 21:48着
- 宇都宮 21:50発→上野 23:38着
「リゾートみのり」に乗っても間に合う!
「リゾートみのり」の運転日限定ですが、「リゾートみのり」に乗るのであれば青森発の列車に1本遅く乗っても何とか間に合います。(ただし大宮駅で1分乗り継ぎをしなければいけませんが…)
なお、「リゾートみのり」は全車指定席なので、乗車には乗車券のほかに座席指定券が必要です。
- 青森7:04発→秋田10:27着
- 秋田12:08発→酒田13:56着
- 酒田14:00発→新庄14:52着(快速最上川)
- 新庄15:01発→仙台17:39着(臨時快速「リゾートみのり」)
- 仙台 18:05発→福島 19:28着
- 福島 19:45発→新白河 21:21着
- 新白河 21:24発→黒磯 21:48着
- 黒磯 21:53発→宇都宮 22:41着
- 宇都宮 22:42発→大宮 23:57着
- 大宮 23:58発→東京 0:49着(京浜東北線)
新庄ルート
秋田駅から奥羽本線の新庄行で向かう場合は以下のようになります。
- 秋田駅までは「酒田ルート」と同じ
- 秋田 10:16発→新庄 12:56着
ここで、陸羽東線の鳴子温泉行に乗るのであれば「酒田ルート」と同じになります。奥羽本線を南下する場合は以下のようになります。
- 新庄 14:18発→山形 15:32着
- 山形 16:31発→米沢 17:17着
- 米沢 17:44発→福島 18:30着
- 福島から先は「酒田ルート」と同じ
横手線ルート
横手線経由で南下する場合は以下のようになります。
- 秋田駅までは「酒田ルート」と同じ
- 秋田 9:16発→横手 10:29着
- 横手 10:35発→北上 11:51着
- 北上 11:56発→一ノ関 12:34着
- 一ノ関 12:44発→小牛田 13:31着
- 小牛田 13:37発→仙台 14:23着
- 仙台 15:02発→福島 16:23着
- 福島 16:28発→新白河 18:10着(★)
- 新白河 18:14発→黒磯 18:38着
- 黒磯 18:57発→宇都宮 19:50着
- 宇都宮 19:59発→東京 21:52着
後述する「ワープ」を使わないのであれば、このルートが最速です。また、最後の宇都宮19:59発の列車は熱海行ですので、そのまま熱海まで行くこともできます。(熱海23:52着)
また、乗り継ぎ回数を少なくしたいのであれば、上に示したルートの★の列車を郡山で下車し、水郡線に乗り継ぐとよいです。
- 郡山までは「北上線ルート」と同じ
- 郡山 18:19発→水戸 21:43着
- 水戸 21:56発→上野 23:42着
盛岡~八戸をワープする場合は?
盛岡~八戸間は並行在来線として分離されてしまっているため、青春18きっぷでは乗車することができません。なので、東北新幹線で行くか、盛岡~八戸を並行して走っている高速バス「八盛号」、または久慈~盛岡間で「久慈こはく号」を使うことになります。
東北新幹線を使う場合
東北新幹線でワープする場合、盛岡~八戸間の運賃1660円+特定特急券1840円の合計3500円かかります。しかし、これを使えば、青森発はかなり遅く出発しても東京駅までその日のうちに行けます。また、始発で行けば、かなり早い時刻に東京駅に着けます。なお、八戸~青森間は青い森鉄道ですが、途中下車しなければ(野辺地駅除く)青春18きっぷで使用可能です。
- 青森 9:14発→八戸 10:52着
- 八戸 11:07発→盛岡 11:43着(はやぶさ16号)
- 盛岡 12:08発→一ノ関 13:37着
- 一ノ関 13:53発→小牛田 14:40着
- 小牛田 14:53発→仙台 15:40着
- 仙台 16:06発→福島 17:20着(仙台シティラビット6号)
- 福島 17:24発→新白河 19:03着(★)
- 新白河 19:20発→黒磯 19:43着
- 黒磯 20:00発→宇都宮 20:52着
- 宇都宮 21:16発→上野 23:00着
また、乗り継ぎ回数を少なくしたいのであれば、上に示したルートの★の列車を郡山で下車し、水郡線に乗り継ぐとよいです。(時刻は「横手線ルート」と同じ)
なお、東京駅に一番早く着くルートは以下のようになります。
- 青森 6:12発→八戸 7:41着
- 八戸 8:11発→盛岡 8:44着(はやぶさ10号)
- 盛岡 8:58発→一ノ関 10:32着
- 一ノ関 10:39発→小牛田 11:27着
- 小牛田 11:40発→仙台 12:27着
- 仙台 12:30発→福島 13:48着 (仙台シティラビット4号)
- 福島 14:18発→郡山 15:07着
- 郡山 15:40発→新白河 16:26着
- 新白河 16:31発→黒磯 16:54着
- 黒磯 17:14発→宇都宮 18:04着
- 宇都宮 18:15発→東京 20:10着
八盛号を使う場合
八盛号を使う場合は以下のようになります。
- 青森 6:12発→八戸 7:41着
- 八戸 7:54発→本八戸 8:03着
- 本八戸 8:35発→盛岡 10:58着
- 盛岡 11:07発→一ノ関 12:34着
- 一ノ関以降は「横手線ルート」と同じ
久慈こはく号を使う場合
下りでは時間の関係上利用できませんでしたが、上りであれば青森駅の初発が早いこともあり、八戸線と「久慈こはく号」で盛岡へ向かうことも可能です。なお、久慈~盛岡の運賃は2250円です。
- 青森 5:41発→八戸 7:08着
- 八戸 7:13発→久慈 8:57着
- 久慈 9:25発→盛岡 11:30着
- 盛岡12:08発、以降は「東北新幹線ルート」と同じ
北海道&東日本パスの場合
北海道&東日本パスの場合、「 IGRいわて銀河鉄道 」も利用できるので、ひたすら南下していくことも可能です。ただ、盛岡駅や新白河駅の接続が悪く、初電で行っても新白河駅で後続の列車に追いつかれてしまいます。なので、以下のようになります。
- 青森 6:53発→八戸 8:24着
- 八戸 8:53発→盛岡 10:49着
- 盛岡 11:07発→一ノ関 12:34着
- 以降は「北上線ルート」と同じ
また、 北海道&東日本パス であれば、北海道新幹線に特定特急券を購入すれば乗れます。函館の初電は以下の通りです。
- 函館 6:07発→新函館北斗 6:29着(はこだてライナー)
- 新函館北斗 6:39発→新青森 7:41着(はやぶさ10号)
しかし、この後の接続が悪く、残念ながら当日中に東京駅に到着はできません…
まとめ
いかがでしたか?東京から青森まで普通列車のみで1日のうちに行けてしまうというのはすごいですね。この情報が少しでも旅行者の方々のお役に立てれば幸いです。