東武野田線の六実~逆井間約3.9㎞の複線化が2019年度内に完了する見込みとなり、東武野田線の船橋~運河間でも急行の運転が開始されることとなりました。 また、最終列車の繰り下げや柏発春日部方面行の「特急アーバンパークライナー」が設定されることになりましたので情報をまとめました。
東武野田線全線で急行列車の運転を開始!
来年3月のダイヤ改正で新たに船橋~運河間でも急行運転を開始します。これにより東武野田線の全線で急行運転を開始し、所要時間を柏~船橋間で最大11分短縮、大宮~船橋間で最大16分短縮します。なお、急行列車停車駅は大宮、岩槻、春日部~運河間各駅、流山おおたかの森、柏、高柳、新鎌ケ谷、船橋とし、 都心に向かう接続駅への速達性が向上します。
朝・夕夜間ラッシュ時間帯は柏~船橋間で急行列車を毎時2本運転し、朝ラッシュ時間帯は9分、夕夜間ラッシュ時間帯 は11分短縮します。これにより、JR各線に接続する柏駅・船橋駅や、新京成電鉄や北総鉄道に接続する新鎌ケ谷駅などの接続駅を利用する通勤・通学客の利便性を向上させます。また、大宮~柏間において運河~柏間各駅の列車頻度を確保するために、岩槻と春日部~柏の各駅に停車する「区間急行」を新設して運行します。
日中時間帯には大宮~船橋間で急行列車を毎時2本運転し、所要時間が最大で16分短縮します。特に新たに急行運転を開始する千葉北西部エリア内の交通網の利便性が大幅に向上し、日中のおでかけやお買い物がより便利になります。
使用車両はどうなる?
今回の急行運転では大宮~船橋間を76分、柏~船橋間を19分の所要時間とかなりのスピードアップが行われています。このため、ダイヤ改正以降は老朽化の進む8000系は急行運用から外れ、10000系と60000系が集中的に急行運用に充当されると思われます。8000系の急行運用を見たい方は来春までに記録しておくことをお勧めします。
また、70000系の製造が間もなく終了することから、今後は60000系の投入が再開され、8000系はそう遠くないうちに野田線から撤退することが予想されます。今のうちに記録・乗車しておくことをお勧めします。
最終列車の繰り下げ
他社線と接続する駅の最終列車を最大約30分繰り下げることで、深夜時間帯の都心からの帰宅がより便利になります。
具体的には大宮駅でJR高崎・宇都宮線、埼京線の、流山おおたかの森駅でつくばエクスプレスの、新鎌ヶ谷駅で北総鉄道の、船橋駅で総武快速線の最終列車とそれぞれ接続するようになります。また、柏駅でも常磐快速線との接続が繰り下がります。
柏発「アーバンパークライナー」新設
平日夜の着席通勤需要に対応するため、特急車両「リバティ」 を使用した柏発清水公園・春日部方面の特急アーバンパークライナーを新設します。リクライニングシートやWi-fi環境、 コンセントが設置された快適な車両で帰宅することができるようになります。
運用に関しては、恐らく現行のアーバンパークライナー3号(浅草→野田市)と2号(大宮→運河)を柏駅まで延長の上で折り返しの運用とするか、スカイツリーライナーを柏駅まで延伸の上で折り返しの運用とするかのいずれかであると考えます。 ただ、前者の場合は柏駅発が明らかに遅くなりすぎてしまうため、後者の可能性が高いでしょうか。停車駅は流山おおたかの森・運河・野田市と野田市~春日部の各駅、野田市以降の乗車は特急券不要と思われます。
まとめ
今回の東武野田線の全線急行運転開始・終電時刻の大幅な繰り下げはどうも鉄道の改善だけではなく、沿線の商業施設や不動産価値の向上も睨んでのもの、と考えるとここまで1線区に力を入れるのも何となく納得がいきます。
こうなるとあとは車両の更新がカギとなってくるでしょうか。8000系はそろそろ老朽化が進んでいるので、沿線住民としてはできれば普通列車は10000系と60000系で統一されることを望んでいるのでしょうが、果たしていつになるのか。簡単な話ではないと思いますが、統一が果たされたとき、東武野田線はまた新たなステージへ進むのではないかと思っています。