JR四国は阿佐海岸鉄道のDMV導入のため、7/18から約半年牟岐~海部間をバス代行とすることを発表しました。阿佐海岸鉄道は2020年度内にDMVの運行を開始することを発表しており、海部~阿波海南間は阿佐海岸鉄道に移行することとなっています。今回はバス代行や阿佐海岸鉄道が導入するDMVの概要をまとめました。
牟岐~海部間でバス代行実施
牟岐線では、阿佐海岸鉄道の DMV 運行開始に向けた工事に伴い、7/18から当面の間、牟岐駅~海部駅間でバスによる代行輸送を行います。
また、これに伴い阿佐海岸鉄道もダイヤ改正を行います。上り始発列車が7分早くなるほか、一部の列車の接続が変わりますので注意が必要です。
DMVの概要
DMVとは列車が走るための軌道と自動車が走るための道路の双方を走ることが出来る車両のことで、日本の定期列車では阿佐海岸鉄道が初めて採用します。
マイクロバスをベースに、軌道走行に必要な改造を加えてあり、外見や基本的な構造は一般的なバスとほとんど変わらないものとなっています。動力はディーゼルエンジンで、ゴムタイヤと金属車輪の両方を備えており、道路走行時は金属車輪を持ち上げてゴムタイヤのみを用い走行します。
道路走行から軌道走行に切り替える時には地表に設置された専用のポインターで車体をうまく線路上に誘導します。この装置でスムーズな切り替え作業が可能となっており、10秒程度で走行モードを切り替えることができます。
DMV導入後のルートは?
なお、ルートに関しては阿波海南~甲浦駅間を鉄道として走り、両駅に道路とレールを繋ぐモードインターチェンジを設置して甲浦駅より先は道路を走り室戸岬方面を結ぶことになっています。
海部駅は高架駅のため同駅で方向転換させるためには大規模な改造工事が必要である一方、阿波海南駅は地上駅のため阿波海南駅にモードインターチェンジを設置することになりました。DMV導入後は、牟岐線の運行上の終点は阿波海南駅として阿波海南~海部駅間はDMVのみ・阿佐海岸鉄道の運行とする予定です。
阿佐海岸鉄道の車両は引退へ
なお、DMV導入に伴い阿佐海岸鉄道で使用されている気動車2両については役目を終え廃車される模様です。これに伴い、「阿佐海岸鉄道☆さよなら列車企画」と題し各種イベントが行われる予定となっています。
イベント | 開催期間 | 内容 | |
てるてる坊主列車 | 6月1日~6月28日 | 定期便 | てるてる坊主とパラソル、紫陽花を飾り、ジメジメした梅雨時期を少しでも楽しい気分に♪ |
七夕様に願いを込めて | 6月1日~7月7日 | 定期便 | 車内に笹と短冊キットを用意しました。七夕様に願い事を書いて取り付けできます。 |
風鈴列車 | 7月1日~8月31日予定 | 定期便 | 天井に向日葵と風鈴を飾り、涼しげな音色で夏を彩ります。車窓には夏がテーマの俳句を展示 |
天の川列車 | 天井一面にはLEDの天の川が、昼間でも点灯するのでトンネル内では幻想的な空間に。こちらにも俳句を展示 | ||
あさてつワクワク体感ツアー | 8月2日(日)予定 | 事前に参加者募集、阿佐東線乗車、DMVバスモード試乗体験、車両基地ではレールスターや洗車体験、車両見学、DMVモードチェンジ実演など | |
第5回 阿佐鉄フォトコンテスト公募 | 6月8日~8月31日 | 今期でDMVと交代してしまう現行車両の、みんなが思う「ここが一押し☆」な写真を募集中 | |
阿佐鉄フォトコンテスト一般審査 | 9月5日~9月30日予定 | 定期便 | 応募作品を車内に展示し、一般の方にも審査員となり投票をお願いします。 |
子供鉄道ギャラリー | 10月1日~10月30日予定 | 定期便 | 沿線の小学生へ夏の期間中に募集した阿佐東線の鉄道図画を車内にて展示予定 |
鉄道の日記念 園児乗車体験 | 10月中予定 | 定期便 | 沿線の幼稚園、保育所(7施設)の児童を招待し乗車体験を実施 |
鉄道の日記念 園児一日車掌 | 10月中予定 | 定期便 | 沿線の7施設のうち持ち回りでの開催、選ばれた園児には一日車掌となり、出発進行合図や車内アナウンスを体験 |
さよなら列車ツアー宍喰伊勢エビ祭り | 10月11日(日)予定 | 臨時便 | 事前に参加者募集、宍喰駅集合‐DMVバスモード試乗体験で会場へ‐伊勢海老味噌汁付き(昼食は自由)‐臨時列車低速走行など |
阿佐鉄フォトギャラリー | 11月上旬~11月30日予定 | 定期便 | 第1回~5回までの阿佐鉄フォトコンテストの入賞作品を車内で展示 |
ただ、DMVで今後も安泰化というとそうも言いきれず、いずれBRTやバス代行となるのでは?という声もあります。
今後どうなっていくのか、見守りましょう。