私鉄への譲渡が進み、現在長野電鉄・北陸鉄道・熊本電鉄で運行が開始されている03系。今回は03系の現状と今後の譲渡先についての推察を行いました。
長野電鉄
まず長野電鉄では先代の3500系を置き換えるため3両編成3本がこれまでに譲渡されています。譲渡されたのは元03-804F・805F・808Fの1・2・8号車となっており、今後806F・807Fの譲渡が濃厚となっています。
なお、この03系では急勾配に対応する抑速ブレーキが追加されており、8500系では入線が不可能だった信州中野~湯田中にも入線が可能となっています。行先表示機がフルカラーLEDに交換されたほか、寒冷地対応として各車両片側3箇所のドアのうち1箇所に半自動ドアボタンが追加され、各ドアにレールヒーターが設置されています。また、ワンマン運転に対するため各種機器が増設されています。
北陸鉄道
北陸鉄道では浅野川線で運行する車両の老朽化に伴い、03系の譲渡を受けています。現在までに2両編成2本が譲渡されており、今後更に2両編成3本が譲渡される予定となっています。
寒冷地であることが考慮され前面にはスノープラウを設置、半自動ドアやワンマン運転に対応した機器の設置が行われています。また、カラーがオレンジ色に変更され正面の方向幕をフルカラーLED化したほか、車内にはLCD式のデジタルサイネージが新設されています。
熊本電鉄
熊本電鉄には2両編成3本が譲渡されました。こちらは譲渡に際してシングルアームパンタの設置や電装品のIGBT-VVVF化が行われたほかワンマン運転に対応した機器の設置が行われました。また、運転台脇に後方確認用のミラーが設置されているのも大きな特徴となっています。
車内に関しては各車両車端部3位側の4人掛けシートが廃され、車椅子スペースが編成中2か所整備されています。また、各ドア上の旅客情報案内装置は路線図によって埋め込まれ中吊り広告や車両間の貫通扉も撤去されています。ドアチャイムは熊本電鉄オリジナルのものとなっています。
伊豆箱根鉄道への譲渡は白紙?他の譲渡先は?
どうも当初は伊豆箱根鉄道の3000系のうち一次車の4編成を03系で置き換える計画があったようですが、こちらに関してはどうも白紙になったらしいという噂がありますね。伊豆箱根鉄道の駿豆線なら20m車が入線可能ですし、今後315系によって置き換えられる211系の購入に方針を変更したのでしょうか?
3両編成での譲渡となると、一番可能性があるのは伊予鉄道でしょうか。主力として今も活躍している700系の老朽化が進んでおり、そろそろ置き換えを考慮しなければならない時期のはず。18m車で3両編成となるとここが本命でしょうか。
このほか、2両編成での譲渡先として考えられるのはことでんと北陸鉄道、弘南鉄道位か。果たしてどこに譲渡されることになるのか、今後も注目が集まりそうです。