新1000形による置き換えが進んでいた800形ですが、ついに今年の夏で引退することになりました。
800形の概要

800形は普通列車を高加減速かつ多扉の車両に置き換えてスピードアップと停車時間の短縮を行うことによって、ラッシュ時間帯の優等列車の速度向上を実現するために設計・製造が行われました。 京急にとっては 界磁チョッパ制御や電力回生ブレーキを初めて採用した11年ぶりの新型車となりました。
なお、現存する京急の車両で唯一の前照灯一灯式、片開き扉車です。 当初は3両編成で運用されていましたが、のちに6両編成化されています。その後、梅屋敷駅のホーム長がないことからドアカットに対応させるためにドアカットスイッチの設置が行われたり、更新工事や優先席の増設、方向幕の交換、弱冷房車の設置など時代に即した改造が行われています。
新1000形による置き換えが進む

しかし、本形式は最高速度が100 km/h と他の系列と比べると劣ることと京急線へのホームドアの設置の関係から新1000形への置き換えが少しづつ進行しました。つい先日も800形の廃車回送が行われ、遂に現在稼働しているのは823編成の1本のみとなりました。
現在の運用は?
過去には羽田線への乗り入れやエアポート急行への充当もありましたが、ホームドアが設置された羽田空港国際線ターミナル駅が開業して以降は羽田線への乗り入れは消滅し、本線系統で1500形や新1000形の6両編成と共通で普通列車の運用に投入されています。
なお、逗子線では平日は日中から夜にかけて、土休日は早朝深夜を除きエアポート急行が10分間隔で運行(一部除く)ため、逗子線には平日の朝夕と土休日の早朝深夜のみの入線となっています。
さよなら800形記念乗車券発売
800形の引退に伴い、 4月6日(土)の6時から京急蒲田駅で「さよなら800形記念乗車券」を1セット2000円(税込)で限定5000セット発売します。現金のみの取り扱いで、 購入は1人2セットまでとなっています。
記念乗車券の内容は硬い厚紙を使用したD型硬券の乗車券4枚組で、乗車券の内容は以下の通りです。
- 京急蒲田駅から340円区間
- 新逗子駅から360円区間
- 新逗子駅から810円区間
- 京急蒲田駅から490円区間
この他、その場でスクラッチカードを削り(外れなし)、賞に応じて賞品をプレゼントします
- A賞… 特別貸切列車「ありがとう800形」招待券(50組100名様)
- B賞… オリジナル800形QUOカード(70名様)
- C賞… オリジナル800形トートバッグ(100名様)
- D賞… オリジナル800形フリクションペン(130名様)
- E賞… オリジナル800形クリアファイル(1,850名様)
- F賞… オリジナル800形缶バッジ(2,800名様)
特別貸切列車「ありがとう800形」

引退に際し、 特別貸切列車「ありがとう800形」 を廃車回送を兼ねて運行します。運転日は6/16(9時~13時頃予定)、運行区間は 品川駅から久里浜工場、充当されるのは800形823編成が予定されています。
また、 車内ビンゴ大会および京急電鉄 久里浜工場において車両撮影会ならびに鉄道タレント(岡安章介(ななめ45°)、吉川正洋(ダーリンハニー)、南田裕介(ホリプロマネージャー))によるトークショーや抽選会を実施します。帰りの際には久里浜工場から京急久里浜駅まで臨時列車が運行されます。
まとめ
今回800形が引退することで、今後はホームドアの設置が急ピッチで行われることになるでしょう。また、車両が高性能なものに統一されるため、ダイヤの見直しによって高速化が行われるかも注目ですね。