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 元北海道夕張市長、鈴木直道氏が北海道の知事選を制し北海道知事になりました。果たしてJR北海道はどうなるのか考察しました。

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知事選を制したのは鈴木直道氏

 16年ぶりの新人対決となった北海道知事選で7日、自民、公明が推薦する前夕張市長、鈴木直道氏(38)が立憲民主、国民民主、共産などが推した野党統一候補の元衆院議員、石川知裕氏(45)を破り、初当選を確実にした。
 札幌市中央区の事務所では支援者らが待機。投票が締め切られた午後8時すぎ、早々と鈴木氏当選確実の速報がテレビニュースで流れると、大きな拍手が起こった。駆けつけた鈴木氏は、「支援してくださった皆さまに感謝を申し上げたい」と喜びをあらわにした。
 インタビューで鈴木氏は「オール北海道で、ピンチをチャンスに変えて活力ある北海道にする、という訴えが届いた」とした上で、「夕張市長として2期8年、学ばせてもらった」と、財政支援団体である夕張市の立て直しの実績をアピール。
 国との関係については「信頼関係をベースに、北海道に必要なものを国に対して主張していく。国の協力を得ながら、北海道をさらなる躍動の大地に変えていきたい」とした。
 また、「やるべきこと、やらなければならないことが山積している。首長は24時間365日休みがない。北海道のあらゆる可能性を引き出していきたい」と語った。
 知事選では、与野党両陣営とも候補者の絞り込みが難航した。与党は一部の道議や経済界、町村会などが国交省幹部の擁立を画策したこともあった。野党陣営も立憲民主、国民民主の両党道連などが衆院議員に出馬要請したが固辞され、石川氏擁立が決まった。石川氏は「北海道独立宣言」をキーワードに、中央依存脱却をアピールしたが、ふるわなかった。

引用: 北海道知事選、全国最年少38歳の鈴木直道氏「ピンチをチャンスに」

夕張市長時代には夕張支線の廃線を提案

夕張駅

 実はこの方、夕張市長時代には夕張支線の廃線を逆提案し(2016年8月)、JR北海道へ以下の提案を行いました。

  • 拠点複合施設周辺と市内各地をバス路線などで結ぶ交通体系の見直しに協力する
  • 清水沢地区のJR所有施設などは市への無償譲渡など有効活用を検討する
  • JR社員を夕張市に派遣する

 その後、幾度となくJR北海道と交渉し、2018年の3月にJR石勝線夕張支線廃線合意の覚書締結。 「明治25年11月の開業から120年あまりにわたって、夕張とともに歩み、夕張のまちを支え続けてきた夕張支線。廃線により、その長い歴史に終止符を打つことになります。歴史の重さを実感するとともに、今ここから「持続可能な交通体系のモデル」と言われる新たな歴史をつくっていきたい。」 とコメントしました。

 なお、夕張支線に関する記事は以下の通りです。是非見てみて下さい。

JR北海道に対し、攻めの廃線を提案?

 JR北海道が数々の赤字路線を抱えているのは周知の事実ですが、以下の路線はバス転換したいと考えているはずで、これをまずは進めていくのではないかと考えられます。

日高本線
引用:日高本線
  • 留萌本線(深川~留萌)
  • 根室本線(富良野~新得)
  • 日高本線(鵡川・日高門別~様似。鵡川~日高門別は鉄道復活の可能性がある)

 とはいえ、沿線自治体も鉄道を失うのは痛いのか、強烈な抵抗に遭うことは間違いありません。 代替輸送の手段を確保する必要はありますが、規制緩和により届け出さえすれば地元の合意なしに廃線することも可能でしょう。しかし、さすがにそれは避けたいでしょうが…

突然死の可能性もあり得るか?

 JR北海道は2017年度の収支を見てみると、何と営業利益だけで約500億円もの赤字を計上。もしも融資している銀行の気が変わり、融資が行われ無くなる・資金の引き上げが行われればあっという間に資金ショートが起き、全線で運行停止という事態にもなりかねません。

 実際、ドイツの鉄道会社「 ロコモア 」が破産していますし、航空業界ではWowエアがつい2週間ほど前に運航を突然停止しました。

 このようなことはしばしば起きており、モナーク航空が運航を停止した時には10万人以上の旅行客が放り出される事態になりました。

 幸い?モナーク航空が運航を停止したときはイギリス民間航空局が代替便を手配しましたが、Wowエアの際はそれすらもなく一方的に放り出されてしまう形となりました。当然ながら、チケットもただの紙くずと化しました。JR北海道のチケットがそうならないという保証はどこにもありません。北海道知事としてもそれは流石に避けたいでしょう。世界に恥をさらすことになってしまいますから…

法的整理へ?

 そうなると考えられるのは法的整理ですが、法的整理をそのまま適用してしまうと倒産のイメージが強くなってしまい顧客離れや取引先からの取引拒否・現金払い要求、車両や線路の差し押さえなど経営上のリスクが生じ、結局運行停止ということになりかねません。

 事業再生ADRというのも考えられそうですが、 リスケジュール、DES、債権放棄に応じてくれるかというと疑問が残ります 。

 プレパッケージ型の法的整理であれば大きな混乱を招くことはありませんが、(ex.JAL)果たしてスポンサーが現れるのかどうか。北海道庁は以前に「 赤字の補てんはしない 」「 上下分離はしない 」と言っているのではっきり言ってここからの支援は絶望的です。そうなると国やJR東日本が頼りということになりますが、果たしてどこまで助けてくれるのか。いずれにしても大幅な路線の廃止は免れないでしょう。

まとめ

 鈴木直道氏が当選したということで、いよいよJR北海道は崖っぷちに追い込まれてしまったといえるでしょう。 JR北海道が再建するのか?それとも消え去ってしまうのか?しばらくは北海道への旅行は控えたほうがいいかもしれませんね…