先月東武鉄道から発表された「東武グループ中期経営計画」について、鉄道関係の部分について考察を行いました。
日比谷線直通列車への着席サービス導入
現在、日比谷線への乗り入れ車両の置き換え用として投入されている70000系をベースとしたロング・クロスシート転換車両「70090系」を投入し、 2020年度より日比谷線直通列車において、有料着席サービスを新たに導入します。東武線と東京メトロとの相互直通運転における有料着席サービス列車の導入は、今回が初となります。 なお、2019年度設備投資計画では4編成の投入となっていましたが、こちらでは6編成の投入となっています。
また、現状では日比谷線と東武伊勢崎線の急行線はこのままでは配線の都合上直通できないので、北千住駅または小菅駅付近に渡り線を設けると思われます。
平日の朝晩のみなのか、土休日も運行を行うのか、また平日と土休日でダイヤを大きく異なるものとするのか?これはまだわかりませんが、以下のようになるのではないか?と予想をしています。
- 平日に関しては霞が関or六本木~南栗橋間の運行になる可能性が高い。停車駅は 日比谷線内が霞ヶ関・日比谷・銀座・八丁堀or茅場町?・秋葉原・上野・北千住になると予想。東武線内は急行と同じ停車駅、もしくは1~2駅少なくなると思われる。
- 土休日は霞が関or六本木~南栗橋間の運行となるか?東横線・みなとみらい線に乗り入れ元町・中華街まで運行するか不明。
ライナー列車の運行時間帯以外は恐らくほかの70000系に混じり日比谷線関係の運用に入るのでしょう。
東武東上線の新駅開業
東武鉄道はホンダと連携し、2020年秋に東上線の東武竹沢~男衾(おぶすま)間のホンダ埼玉製作所寄居完成車工場に隣接している場所に新駅を開業すると発表。新駅の名称は現在のところ未定、新駅の開業に合わせ工場勤務者らの利用促進や空き地の活用策としてパーク&ライドも実施する模様です。
東武東上線に新たな着席サービス導入へ
現在、東武東上線では座席指定列車として「TJライナー」が運行されていますが、「新しい着席サービス」として考えられるのは地下鉄への乗り入れにも対応させ、副都心線・東横線や有楽町線にも直通するということでしょうか。朝夕ラッシュ時や土休日などを中心に需要は高いと思われます。
そうなるとどのような運行となるのかが焦点となりますが、恐らくS-trainと同じような運行形態になると考えられます。
- 平日は副都心線方面への乗り入れは無しで豊洲or新木場~川越市・森林公園の運転となる可能性が高い。
- 土休日は副都心線・東横線へ乗り入れ、元町・中華街 ~川越市・森林公園 の運行と予想。ただ、有楽町線方面の着席需要も捨てきれず、こちらも平日より運行本数は減らしつつ運行自体は行うのではと考えられる。
- 停車駅については東武線内は現行のTJライナーと同様、副都心線は池袋・新宿三丁目・渋谷、有楽町線内は飯田橋・有楽町・豊洲、東横線・みなとみらい線内は自由が丘・(武蔵小杉?)・横浜・みなとみらいと考える。
置き換え対象の車両は?
そうなると置き換えがどの車両になるか考えてみましたが、9000系(特に故障が目立ち、地下鉄乗り入れ対象外の9101F)と10000系が候補に挙がってきます。特に9000系は登場からすでに30年以上が経過すること、10000系は製造からこちらも30年を経過する車両が出始めていることと先頭車が編成の都合上中間車に入っており定員数が減少することが挙げられます。
置き換えが行われた場合どうなるか考えてみますと
- 9000系…そのまま廃車の可能性が高い
- 10000系…東武野田線やその他支線に転属し、8000系の置き換えに回る?余剰車については廃車
と予想します。
リバティ会津は停車駅削減へ
現在4往復運行されている「リバティ会津」について、来年のダイヤ改正で会津鉄道内の停車駅削減を検討されています。これとリバティ会津へ乗り継ぐために運行されている会津若松~会津田島駅間で運行するリレー号についても見直しを行い、10分程度の所要時間が短縮される模様です。
川越特急
今年春のダイヤ改正で新たに東武東上線に登場した種別で、池袋~小川町間では最優等種別となっており、池袋~川越間を最短26分間で結んでいます。
TJライナーと共通運用が組まれるため、50090系のクロスシートで運行されるが乗車券のみで乗車が可能であること、 自動放送で川越観光に関する案内が実施されること、コンシェルジュが乗務し乗客に川越観光に関する案内を実施すること(一部列車に限る)が大きな特徴です。
現在は 平日は下り2本・上り3本が、 土休日は下り2本・上り4本が運行されています。今後のダイヤ改正で運行本数が増えるか、注目でしょう。 時刻表などはこちらをご覧ください。
東武野田線で急行運転拡大
東武野田線の六実~逆井間約3.9㎞の複線化が2019年度内に完了する見込みとなったことに伴い、東武野田線の速達性の向上を目的として、船橋~運河間の急行運転を来年の春から行います。
停車駅はまだ発表されていませんが、恐らく流山おおたかの森・柏・新鎌ヶ谷駅となるのではないでしょうか。柏~船橋の急行ですが、大宮~柏間と同様に1時間に2本程度の運行と予想します。
新型観光特急の導入
これに関してはまだ何の発表もないため何とも言えませんが、果たして現在「けごん」などで運用されている100系の置き換えなのか?それとも地下鉄乗り入れにも対応させた新たな特急車両なのか?は興味深いところです。どうなるでしょうか…
他社路線(交政審計画路線)との連携へ
これは恐らく現在建設が計画されている赤羽~葛西臨海公園の「メトロセブン」や羽田空港~赤羽間の「エイトライナー」を指して言っているものと考えられます。最も、両路線がいつ開業するのかわからないため、何とも言えませんが…
とうきょうスカイツリー駅のターミナル機能向上
これはとうきょうスカイツリー駅~曳舟駅間の高架化と、それに伴いとうきょうスカイツリー 駅の移設と2面3線化・ホーム延伸のことを言っているのでしょう。2面3線化とホーム延伸に伴い、当駅での折り返しが可能になるのは大きいでしょう。また、現在の浅草駅は1番線のみが辛うじて8両編成が入線可能なほかは6両編成のみの入線に限定されており、これを補完する目的もあるものと考えられます。
まとめ
こうしてまとめてみると、結構東武鉄道は積極的に動いていますね。今後8000系や9000系、10000系がどうなるか、新型特急車両がどういうものになるのか注目ですね。