JR東海が元日に在来線向け新型車両315系の導入を発表し、置き換え車両の中に現在は飯田線で運用されている213系も含まれていました。譲渡さえされればまだまだ使えそうな車両ですが、どこへ譲渡されるのか予想してみました。
213系の概要
213系は1989~91年にかけて老朽化の進んだ関西本線の165系の置き換え用として2両編成14本が製造されました。 車体は同時期に製造された211系と同じステンレス製が採用されています。
2ドアの転換クロスシート(扉間のみ、車端はロングシート)を採用し、関西本線の輸送改善に大いに貢献しました。が、2000年より関西本線で閑散時間帯の普通列車においてワンマン運転が開始されると以降は関西本線での運用は朝晩のみとなり、日中は中央本線の列車の増結に使われていました。
その後、飯田線で運用されていた119系の老朽化が深刻になってきたこともあり、トイレの設置や半自動ドアの設置、補助席の撤去などの改造工事を施した上で2011年11月より飯田線での運用を開始し、現在に至ります。
315系で置き換えへ
しかし、車椅子スペースの設置など細かな改造はあったものの、あまり車両本体の機器類に関しては特に更新も行われず登場から30年が経過。
JR東海は313系の製造から5年が経過し、様々な新技術を搭載することから新たに新形式「315系」の開発を行うことを2020年の元日に発表しました。
これにより、213系は恐らく313系の転用が行われ置き換えられるものと思われます。
譲渡先はどこに?
2慮編成で小回りが利き、半自動ドアの設置なども完了していることから引き取り手は多いのではないでしょうか。ただ、2ドア転換クロスシートを採用していることをどう考えるかですね…
JR西日本
まず考えたのが岡山中古車センター岡山電車区の105系・115系置き換えでしょうか。 投入から年数がたっていることもあり、老朽化が進行してきています。213系は岡山電車区に配置されていますし、JR東海の213系も引き取り車両更新を行う可能性は少なくないでしょう。
大井川鐵道
現在、大井川鐵道で主に運行されている16000系や21000系は老朽化が進んでおり、置き換えが急務です。213系であれば2扉転換クロスシートや半自動ドアを採用しており、サービスレベルの低下はないのではないでしょうか。
ただし、大井川鐵道には東武鉄道から20000系が譲渡される可能性も否定できず、どちらが入線するのか楽しみなところです。
近江鉄道
西武401系を種車として短編成化改造が行われ近江鉄道に譲渡された800系・820系ですが、製造からだいぶ年数がたつこともあり、足回りを中心に老朽化が進行しています。
列車はほとんどロングシートで運行されているため、213系を導入してイメージアップを図るのもよいのではないかと考えます。ただ、この路線だとあまり半自動ドアの活躍が見込めない・トイレは使用停止になりそうなので、そうなると211系2両編成の譲渡の可能性もありそうです。
富山地方鉄道
富山地方鉄道も譲渡先としては有力でしょうか。宇奈月温泉や立山への観光客が少なくないことを考えると2ドア転換クロスシートを採用し半自動ドアもある213系は最適なように思えます。
波動用として残留も?
現在、さわやかウォーキングの開催に伴い臨時列車が設定されることが少なくありません。特急型車両として運用されている373系があまり余裕がないこともあり、213系で臨時列車を設定しやすくする、という可能性はありそうです。個人的には「ナイスホリデー木曽路」の運転日数はもう少し増やしてくれてもいいように思えますが…
JR西日本のように観光列車への改造も期待したいところですが、それはさすがになさそうですね…