すでに今年の7月からE235系の投入が発表され今後置き換えが行われる模様のE217系ですが、今年に入り現地で建築限界の測定が行われ、本格的に譲渡が行われる可能性が出てきました。果たして今後どうなっていくのでしょうか?既出の情報をもとに考察を行いました。
E217系の概要
E217系は横須賀線・総武快速線で運用されていた113系の置き換えを目的とし1994~99年にかけて製造されました。最終的に基本編成51本、付属編成46本の計745両が製造されています。
近郊型車両として初めて4ドアを採用し、拡幅車体、一部車両を除き基本的にロングシートを採用するなど様々な変化が加えられました。
2006~2015年3月まで東海道本線の東京~熱海間でも運行されていましたが、現在は全車横須賀・総武快速線とその乗り入れ先の路線で運行されています。
なお、 2007年~2012年に制御装置などの機器類の更新と二重化、自動放送機能および客用扉の「3/4閉」スイッチ装備が行われています。
しかし、長距離・高速運転を続けてきたことから故障が頻発。車内外の老朽化が目立つようになり、一部からは「走るプレハブ小屋」とまで呼ばれる始末。乗客や乗務員から早期の置き換えを望む声を無視できなくなったのか、今年から置き換えが行われる予定です。
インドネシア譲渡は実現するのか?
問題は果たして本当にインドネシア譲渡が実現するのか?ということです。 205系5000番台の譲渡開始時にインドネシア政府が「中古電車の輸入は205系5000番台を最後に今後認めない」 という旨の発言をしていることから、これを撤回してもらう必要があります。
ただ、電車製造の国産化ができておらず、現実的に考えるとE217系の譲渡は認められそうですね。それを見越して、1/10から203系に大型の排障器(スカート)を取り付けKCI管内で試運転を実施、問題点を洗い出す模様です。
しかし、現在のE217系の基本編成は4M7T。起動加速度も2.0km/h/sとほかの車両と比べると低めです。付属編成の電動車も使い車両を組み替えて6M6Tで譲渡する(状態の悪い車両は廃車)のではないかと思われます。
さらに、グリーン車・トイレを組み込んだ近郊型車両の譲渡は初であり、KRLジャボタベックによる有料着席サービスも開始されるという噂があります。インドネシアの鉄道は混雑がすごいようですし、実現したら利用客にとっては嬉しいでしょうね。
E217系でインドネシア譲渡は打ち止めか?
103系、203系、205系と今回のE217系(予定)とJR東日本車のインドネシア譲渡が続いてきましたが、恐らくこれでJR東日本からの譲渡は打ち止めになると思われます。
現在東海道線・宇都宮線などで運用されているE231系の置き換えがE235系で予定されていますが、余剰車については短編成化の上で長野・高崎地区で運用されている211系や相模線や仙石線などの205系の置き換えに回ると思われます。
そうなると211系・205系はどうなるのか?ということになってきますが、E231系で置き換えが行われる頃には両者ともかなりの経年となっていますし、さすがに廃車解体するでしょう…
まとめ
- E217系は1994~99年に横須賀・総武快速線で運用されている113系の代替として導入。近郊型車両としては初めてロングシート主体・4ドア拡幅車体を採用。
- 2006~15年3月に東海道本線で運用も、E233系の投入で撤退。以降は横須賀・総武快速線と房総方面での運用のみとなる。
- 2007~12年にかけて機器更新などを行うも、長距離・高速運転を続けてきたことから故障が頻発。車内外の老朽化が目立つようになり2020年からE235系で置き換えを行う。
- インドネシアへグリーン車・トイレを組み込んだ近郊型車両の譲渡が行われれば初の事例となる。
- もしE217系の譲渡が実現した場合はKRLジャボタベックによる有料着席サービスも開始される模様。
- JR東日本からのインドネシアへの譲渡はE217系の譲渡で打ち止めか。