試作車として登場したE231系900番台ですが、総武線での運用を終えた後量産化改造が行われ、武蔵野線用に転用され7/20から運用を開始しています。武蔵野線への209系・E231系の転用劇も間もなく完結する模様で、残りはどの編成が転用されるのか予想してみました。
E231系試作車、MU1編成として武蔵野線へ
E231系試作車の概要については既に上の記事で取り上げていますので、そちらをご覧ください。
E231系試作車については廃車の噂もありましたが、量産化改造を受けたうえでMU1編成として7/20から武蔵野線の運用に入っています。武蔵野線へ転属するにあたって、他編成と異なり以下の改造を受けています。
- VVVFについては三菱IGBT-VVVFと日立IGBT-VVVFの2種類を搭載していたが、他のE231系機器更新車と同じ全車両三菱IGBT-VVVFに。
- ドア横のJRマークのステッカーは剥がされて、他の武蔵野線E231系と同じ位置になる。
- サハの4号車についてはTLK(三相電源誘導接触器)を搭載したサハE231-901を組み込む。サハE231-903(新5号車)を棒連結器に交換するとともに、新たにサハE231-901(新4号車)・モハE230-901(新3号車)間の2箇所が密着連結器に交換。
試作車と縁がある京葉車両センター
今回のE231系試作車の転用も武蔵野線向けでしたし、京葉車両センターは何かと試作車と縁があるようです。
まずは201系の試作車。1979年8月に中央快速線で運行開始後、中央・総武緩行線へ転属し、2001年に京葉車両センターへ。京葉線での運用が続けられましたが、2005年10月に老朽化が進んだことにより運行を終了しています。
その後、山手線で活躍していた205系の量産先行車も後継のE231系への置き換えに伴い京葉車両センターへ配属。京葉線で活躍しています。
こちらは後継のE233系が投入されたことにより置き換えられますが、トップナンバーを含むケヨ24編成のうち8~10号車の3両が大宮総合車両センターの研修用車両として、ケヨ25~27の1~3号車が再改造されて富士急行6000系として第3の車生を送っています。(ケヨ27編成の8・9号車も部品取り用に譲渡)
E331系についてはニートレインとしてあまりにも有名かもしれません。様々な新機構を搭載し2007年春のダイヤ改正から土休日ダイヤに限り運行を開始しましたが、故障が頻発しわずか数日で運用を離脱。部品の改良などを行い2008年末に運行を再開しましたが、2009年5月には再度運用を離脱。2010年4月に運行再開するも、2011年1月に運用を離脱。その後2度と運用に就くことはなく2014年4月に廃車回送され、翌月には長野で重機の餌となっています。
このほか、試作車というくくりからは外れるかもしれませんが、京葉線を走っていた103系のモハ103-502に対し2002年6月に大宮工場にてDDMの搭載と制御装置のVVVF化が行われ、2003年の5~12月に京葉線の営業運転で試験が行われています。
大規模転用劇もいよいよ完結
現在の205系の運用本数は5本で、今回のMU1編成の運行開始で1本が近日中に運用離脱することになります。
B82編成とB31編成が相次いで秋田車両センターへ入場しているのとから、この2編成が武蔵野線へ転属するのは確定でしょう。
となると、後2本をどこから捻出するか。一番有力なのはマト118・119編成でしょうか。基本編成19本に対し最大同時運用数が16本ですから、2本転出しても松戸の運用はぎりぎり回りますから、ここから捻出する可能性が濃厚です。また、マト118編成については7月に入って1度も運用入りしておらず、武蔵野線へ転属するという噂が立っています。
中央快速線で運用されている209系は同線のE233系のグリーン車組み込み準備などの改造の都合上当分動かせないでしょうし、そうなると京葉線で1本だけ運用されている209系500番台も動かせませんね。
205系の引退は秋ごろか
武蔵野線で長らく活躍を続けてきた205系ですが、メルヘン顔の205系は既に全車インドネシアへ譲渡されており、山手線から転属しVVVF化改造を受けている5000番台のみが運行を続けています。
最近の情勢から考えると撮り鉄が集結するような事前告知は考え辛く、03系のようにひっそりと引退する可能性が高いです。記録や乗車はお早めに。