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 現在東海道新幹線を走る700系B編成(JR西日本保有)とC編成(JR東海保有)について、12月を以て東海道新幹線の定期運用から離れ、来年3月のダイヤ改正で引退することが明らかとなりました。700系の概要や現在の状況・運用列車をまとめました。

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700系の概要

700系
引用:700系

 700系は速度の遅い旧型の0系・100系の置き換えを目的として、適度の製造・保守コストで東海道・山陽新幹線全体の高速化を図るためにJR東海とJR西日本が共同で開発した車両である。最高速度は285km/hと500系 (最高速度:300 km/h) には及ばないものの、300系(最高速度:270 km/h)よりは速くなり、車内の居住性や乗り心地の改善が行われています。また充当編成変更時にも柔軟に対応できるよう300系と座席数を共通化しています。

 1997年にまず量産先行車C0編成が落成。その後走行試験等を繰り返し1999年3月より「のぞみ」で運行を開始しました。のちにJR西日本では100系V編成(グランドひかり)の置き換え用にB編成が登場し「ひかり」での運用を、0系(ウエストひかり)の置き換え用に山陽新幹線内限定運用の8両編成のE編成が登場し「ひかりレールスター」での運行を開始しています。4号車を「サイレンスカー」として運用、8号車に普通個室が4室設けられるなど、こちらもJR西日本の特徴が出た編成となっています。

 2003年の品川駅開業後はB・C編成共に、主に「のぞみ」で運用が行われ、 一部の「ひかり」と「こだま」にも使用されるようになりました。

 JR西日本保有のB編成とJR東海保有のC編成は大枠は同じであるものの、会社の違いからか、主に以下の相違点があります。

  • B編成は先頭車に「JR700」のロゴがある。
  • グリーン車の違い。B編成は座席の背面テーブルが省略されており、読書灯の操作スイッチがひじ掛け先に設けられているほか、座席もC編成は緑色なのに対してブラウン色が採用され、モケットも滑りにくいものが採用されている。また、雰囲気も照明の明るさが抑えられており、薄暗い豪華な雰囲気となっている。
  • JR東海保有のC編成は行き先表示が字幕式なのに対し、JR西日本保有のB編成は字幕にLEDが採用されている。
  • 普通車もB編成とC編成で座席の色・デザインが少し異なるほか、B編成の車端部に関しては大型テーブルとコンセントが設置されている。

N700系登場で廃車進む

N700系
引用:N700系

 しかし、2007年にN700系が登場すると、状況が一変します。N700系はまず300系と500系の置き換えを行い、2010年2月に500系が「のぞみ」運用から撤退し、300系は2012年の3月に運用を離脱してしまいます。このころになると700系の定期運用のほとんどは「ひかり」と「こだま」となり、 定期「のぞみ」の運用は全てN700系が担当することとなりました。

 C4編成が2011年7月に廃車となったのを皮切りにC11~18編成がJR西日本に譲渡され(その後2015~17年にかけて廃車)、その後、N700系のマイナーチェンジ車のN700A系が登場し廃車が続きました。

 2017年春のダイヤ改正で東海道新幹線の「ひかり」運用から離脱すると、この年の9月にJR西日本のB編成にも廃車が発生し、N700A系への置き換えが進みました。

 E編成は九州新幹線の開業に伴い 、「ひかりレールスター」の運用が減少し、「こだま」の運用が増加。現在は新大阪発着の山陽新幹線列車が「さくら」・「みずほ」が主体となっていることから、一部の「ひかりレールスター」の運用を除き「こだま」での運用となっています。なお、「こだま」での運用時は8号車に設けられている普通個室は締め切り扱いとなっています。

現在の運用は?

 現在、B・C編成は以下の列車で運用されています。このほか、一部の臨時「のぞみ」で運用されることがあります。(喫煙車の有無で判別可能)

11/3追記:東海道新幹線の「こだま」運用については11月末を以てN700系の運用になる模様です。一方、山陽新幹線の「ひかり」については今のところ12月以降も運用継続の見込みです。

  • 東京~新大阪の「こだま」683・636・696号
  • 新大阪~博多の「ひかり」441・444号

12/1以降は東海道新幹線内のごく一部の臨時列車に充当される模様です。B・C編成のどちらが充当されるかは不明です。

https://twitter.com/kito_sr/status/1200640012502454273

 E編成については山陽新幹線内のグリーン車のついていない「ひかり」と「こだま」、博多南線の一部列車に運用されています。詳しくは時刻表をご覧ください。

3/8にさよなら運転実施

  引退に先立ち、700系の団体専用列車に乗車できる旅行商品をJR東海ツアーズ等の旅行会社から発売します。申込者の中から抽選で3/8に実施する引退式典に来賓として招待します。

  また、 2/12より同社所有の700系C編成2本に、ヘッドマーク及びサイドステッカーによる車体装飾を行います。また最終走行列車では出発式・引退式を行います。

 最終列車の概要は以下の通りです。

  • 最終走行日 3/8
  • 最終走行列車 臨時「のぞみ315号」※全車指定席 (「ありがとう東海道新幹線700系」のぞみ号)
  • 運転区間 東京(9:47発)~新大阪(12:20着)
  • 停車駅:品川・新横浜・名古屋・京都
  • ご乗車のお客さまには、新横浜~京都間の車内で乗車記念品(700系車体を再生したアルミにより特別に製作したメダル・乗車記念カード)を贈呈します。

来春ダイヤ改正でB編成も運用離脱

 来春のダイヤ改正を以て山陽新幹線のひかり441・444号も700系の運用ではなくなる模様です。これにより、定期列車の喫煙車は消滅の見込みです。なお、来春のダイヤ改正以降もしばらくはB編成も山陽新幹線内の臨時列車で運用される模様です。

まとめ

 ついに東海道新幹線から700系も姿を消してしまうということで、いよいよ東海道新幹線を走る列車が285キロ運転可能な列車で統一されることとなり、大幅なダイヤ改正が行われそうですね。まずはここまで過酷な日々を走り続けた700系にお疲れさまと言いたいです。最後まで何事もなく運用を終えることを願っております。