かつては西武鉄道401系として活躍し、近江鉄道への譲渡後も長らく活躍を続けてきた800形。近江鉄道では最大本数を誇り現在も各線で活躍を続けている同形式ですが、ここへきて環境に配慮したVVVF車を導入することが滋賀県議会の委員会において明かされました。果たして置き換えはどうなるのでしょうか?
近江鉄道にVVVF車導入?
近年は経営状況が厳しく、2024年度から上下分離方式で当面の間の存続が決定した近江鉄道。しかし、車両に関しては老朽化が進んでおり、ここ数年で置き換えが行われることとなりました。そんな中で環境に配慮したVVVF車の導入が検討されることになったわけですが、果たしてどうなるのでしょうか?
本命は2000系の譲渡
本命としてはやはり2000系の2両編成でしょうか。旧2000系・新2000系ともに車内のリニューアルが施工済みですし、VVVF化改造すればまだまだ走れるでしょう。ここ数年で置き換えが行われるでしょうし、西武鉄道としても廃車にするよりは…という所でしょうか。
対抗馬は30000系2両編成の譲渡
対抗馬として考えられるのは西武鉄道の30000系2両編成でしょう。まだまだ新しいのですが、西武鉄道の中でも本線系統で6両編成・8両編成と併結しての運用となるとどうしても無駄が目立ってしまいますし、混雑も激しくなってしまう欠点があります。
また、2021年に起きた京王線での無差別殺傷事件などを鑑みても、非貫通編成の併結よりは10両編成・8両編成のストレート編成での運用が望ましいと考えられます。そうなると西武鉄道内で2両編成というのは運用しづらく、譲渡される可能性もあるのではないでしょうか?
これが都営地下鉄なら経年が10年程度でも容赦なく廃車にしてしまうわけですが、流石に西武鉄道はそんなことはしないでしょう。ただ、30000系の譲渡の場合2両編成は6本しかないため800形全数の置き換えはできません。残りをどう置き換えるかがこの場合課題になるでしょう。
大穴は211系GG編成の譲渡か?
大穴としては211系GG編成の譲渡でしょうか?既に313系2両編成が転属してきており、来春のダイヤ改正で運用を離脱する可能性が濃厚となっています。車両としてもまだ30年程度ですし、VVVF化すればまだまだ走れるように思えます。ただ、当然他の私鉄も狙っているでしょうし、競り落とすのは簡単なことではないでしょうね…
ICOCA・観光列車導入検討も課題は山積み
近江鉄道ではフラッグシップトレインとして700形「あかね号」が運行されていましたが、残念ながら老朽化により廃車されてしまい、以降は観光列車に適した車両が無く800形807Fが止む無く使用されている状態になっています。交通系ICカード対応や新しい観光列車導入に向けたクラウドファンディング実施も検討段階で行われると決まったわけではない…というのが苦しいところです。
VVVF車の導入にしても、変電所の更新や踏切の誘導障害の問題などがありますし、恐らく一筋縄ではいかないだろうと思われます。果たして今後どうするのか?まずは動向を見守りましょう。