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JR北海道の屈指の閑散線区である札沼線ですが、ここ数日で大きな動きがありました。

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【月形】JR北海道が廃止を提案する札沼線北海道医療大学―新十津川間(47・6キロ)について、空知管内月形町の上坂隆一町長は29日、廃止を容認する意向を固めた。沿線4町のうち、月形高生など日常的な利用者が多く、これまで維持存続を強く求めていた月形町が容認に転じ、同管内新十津川、浦臼両町もJRとの個別協議で町側の提案がおおむね受け入れられていることなどから、沿線自治体は廃止容認に大きく傾き、札沼線は廃止、一部バス転換となる見通しになった。

廃止が決まれば、JRが単独で維持困難とする10路線13区間で、自治体側が当初から廃止を受け入れた石勝線夕張支線を除き初めて。

月形町が同日夜に開いた住民説明会で、廃止に明確に反対する声は上がらず、町民の一定の理解は得られていると判断した。上坂町長は終了後の取材で「もう少し(反対)意見が出ると思っていた。今後も要望があれば町民にしっかり説明する」と述べた。6月7日開会予定の定例町議会での議論を経て、同月中にも正式表明する考え。

出典:北海道新聞

単独で維持困難な線区の廃止2例目に

JR北海道が「単独で維持困難な線区」を公表したのちに2019年3月末での廃線が決まった石勝線の夕張支線(新夕張-夕張)に続き、「単独で維持困難な線区」2例目の廃止・バス転換となりました。

となると注目は廃線の時期がいつになるか?ということになってきます。鉄道事業法では、「廃止の届出は廃止しようとする日の1年前までに行わなければならない」(第二十八条の二)となっています。しかし、同条には「関係する地方自治体や利害関係人から意見を聴取した結果、「公衆の利便を阻害するおそれがない」と国土交通大臣が認める場合は、1年を経過せずとも廃止できる」ともあります。

札沼線の末端区間である北海道医療大学~新十津川間については、沿線自治体が廃止容認の意向を固めた段階です。今後、廃止代替バスの経路や運行本数、JR北海道の負担割合などについて廃止に向けた協議が進むと思われます。となると2018年度の早いうちに協議をまとめて、2019年度には廃止するというのが考えられます。

他の「単独で維持困難な線区」はどうなる?

報告書「北海道の将来を見据えた鉄道網(維持困難線区)のあり方について」においては、以下の4線区が「他の交通機関との代替も含め、地域における検討・協議を進めていくことが適当」とされています。

  • 留萌線(深川~留萌)
  • 根室線(富良野~新得) ※2016年の台風被害により東鹿越~新得間で運休、バス代行
  • 札沼線(北海道医療大学~新十津川) ※「バス転換も視野に」と記載
  • 日高線(鵡川~様似) ※2015年の高波被害により鵡川~様似間で運休、バス代行

今回、札沼線は廃止がほぼ決定しました。現在、災害で運休中の根室線や日高線は復旧させる場合、沿線自治体が億単位の高額な復旧費用を負担する必要があるため、復旧はほぼ絶望的でしょう。残りの留萌線がどうなるか、注目が集まりそうです。