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 現在東武鉄道の東上線や伊勢崎線で活躍している10000系ですが、ここへきて11201Fと11202Fの2編成が北春日部でワンマン化と思しき改造を受けている姿が目撃されており今後に注目が集まっております。果たして今後どうなっていくのか?考察を行いました。

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10000系の概要

10050系
引用:10000系

 10000系は8000系の後継車として老朽化した旧型車両の置き換え用に1983年に登場した地下鉄有楽町線直通用の9000系をベースとして同年に地上線用に登場した車両です。凹凸の多いコルゲート車体が大きな特徴となっており、制御装置にはチョッパ制御が採用されています。

 その後、1988年にマイナーチェンジを施した10030系が登場します。この車両は前面形状が一部変更され、コルゲート車体に変えてビードプレス車体・ボルスタレス台車を採用し、補助電源装置にSIVが使用されています。なお、同年には試験的にVVVFインバータ制御を採用した車両も1本のみ製造されています。(10080系)

 1992年以降に製造された車両は客室内に車椅子スペースが設置され空調設備の改良と雪害対策が追加されたことから50番台が付与されています(10050系)。

現在の10000系列の所属は?

 現在の10000系列の本数は以下の通り、数字は本数を示しています。(空欄は所属なし)

 なお、リニューアル工事で東上線の6+4両編成は10両編成に固定化されていますので、そちらも反映させています。

2両4両6両8両10両
10000系4924
10030系1288
10050系181118
10080系1

ワンマン化改造施工か? 

 今回の改造は11201Fと11202Fの2編成に対して施されており、貫通幌の撤去とホーム検知装置の取付、運転台の改造が確認されています。

  ホーム検知装置の取り付けは東上線や野田線の車両でも行われていますが、貫通幌の撤去ということは今後は分割併合が絡む運用に入れないということを示しています。

 従ってワンマン線区への転用とみて間違いはなさそうです。

 ただ、10000系は過去に2両での単独運用を大師線・亀戸線で行っていた経歴があるものの、1989年に回生失効と滑走により西新井駅の車止めに突っ込んだ事故が起きており、これ以降2両編成単独での10000系の運用は無くなっています。 これらのことを考慮するとセラジェットの搭載等を行う可能性は高いでしょう。

転用線区はどこに? 

 恐らく現在8000系の2両編成・3両編成が運用されている小泉線・佐野線・桐生線のいずれかに入るのではないでしょうか。

 しかし、亀戸線・大師線で運用されている本数は少ないことから回生失効・滑走対策を講じて、都心に近いこちらの路線から置き換えを行う可能性も考えられます。

【東武10000系 11201F、11202F ワンマン改造工事 4か月で完成!】本日、11201F 館林まで試運転!

 5/8追記:11201F、11202Fのワンマン化工事が完了し、11201Fが館林へ回送されました。電気連結器の撤去やドアボタンの設置は行われませんでした。これにより

  1. 館林以北の完全ワンマン化・系統分離
  2. 1970年製造で、まもなく50歳を迎える8000系8561F・8562F(館林)の置き換え

 のいずれかが行われると思われます。電気連結器の撤去が行われなかったのは3両を組む代わりに朝晩のラッシュ時に2両編成2本を必要に応じて連結して運用する形にする可能性も捨てきれませんね。

 おそらく試運転を行った後にダイヤ改正の前後に運用入りするものと思われます。

今後は10000系の転用が本格化か?

10000系
引用:10000系

 東上線で運用されている10000系については今後も安泰と言えますが、伊勢崎線系統で運用されている方については転属が進められるのではないでしょうか?

70000系
引用:70000系

 浅草駅のホーム長の問題(1番線のみ8両入線可、他は6両まで)がありますから単純にはいかないと思いますが、70000系を投入して浅草口の車両も統一するのではないか?と考えます。ちょうど東京スカイツリー駅が2面3線化されますし、ラッシュ時は東京スカイツリー駅での折り返し列車を設定して対処するのでしょう。

 ただ、朝晩の区間急行・区間準急の運用が問題となってきます。館林以北には6両編成までしか入れないことを考えると、こちらは館林駅か久喜駅で系統分割を行うのではないでしょうか。

 これで伊勢崎線の浅草口から10000系列が撤退するとなれば、起動加速度の高い車両で浅草・北千住~久喜・南栗橋間の一般列車は統一されますから、そのタイミングでダイヤ改正が行われることになるでしょう。

 となれば10000系列は8000系の後釜として、6両編成はこれまで通り伊勢崎線の久喜~館林・太田間の運用に就く車両以外は東武野田線へ、4両・2両編成はワンマン線区への転用が行われることになると思われます。

 ただ、8両編成については中間のサハを抜いて東武野田線への転属となるか、または2両編成と併結して東武東上線へ転属のどちらの可能性もあり得ます。東武東上線の車両は事故などで休車になっている編成が多く、車両繰りに頭を抱えているという話も聞きますから後者の方が可能性としては高いでしょうか。

まとめ

 ついに10000系のワンマン改造車が出てきたことで、今後8000系の置き換えが進められることは間違いなさそうです。まだまだ元気に東武野田線などで運用されていますが、後悔の無いように早めに記録しておくことをお勧めします。