横浜市営地下鉄ブルーラインで先月踊場駅の引き込み線へ回送していた列車が壁に衝突する事故が発生しました。6月にも発車直後の列車が脱線する事故が起こっており、今年二度目の事故となります。異例の事態にある背景を探っていきたいと思います。
6月:下飯田駅発車直後の脱線
6日朝、横浜市で市営地下鉄のブルーラインの始発電車が脱線し、市営地下鉄によりますとブルーラインは今も、一部の区間で運転ができなくなっています。
引用: 横浜市営地下鉄ブルーライン車両脱線 一部区間で不通
(中略)
横浜市によりますと、夜間、工事用の車両を通すため既存のレールの上に置いた臨時のレールを撤去し忘れ、そこに電車が乗り上げたとみられるということで、詳しい状況を調べています。
横浜市営地下鉄によりますと、6日午前5時20分ごろ、横浜市泉区の下飯田駅の付近で、横浜市営地下鉄ブルーラインの始発電車が脱線しました。
電車は6両編成で、神奈川県藤沢市にある始発駅の湘南台駅を出発し、隣の下飯田駅を出た直後に脱線したということです。
警察によりますと、当時、始発電車には乗客およそ120人から130人が乗っていたとみられますが、今のところけが人がいるという情報は入っていないということです。
(中略)
横浜市によりますと、夜間、工事用の車両を通すため既存のレールの上に置いた臨時のレールを撤去し忘れ、そこに電車が乗り上げたとみられるということで、どの車両が脱線したのかなど詳しい状況を調べています。
(後略)
結局、 工事用の車両を通すため既存のレールの上に置いた臨時のレールを撤去し忘れたという単純なミスが原因だった模様です。ちなみに、当該編成は3531Fの模様で現在まで復帰できていません。
8月: 運転手の居眠りで衝突事故
29日朝、横浜市の市営地下鉄ブルーラインの駅で、客を降ろしたあとの電車が折り返し運転のため引き込み線に入ったところ、停止位置を通り過ぎてそのまま壁に衝突しました。運転士が軽いけがをし、「居眠りをしていた」と話しているということで、横浜市交通局は詳しい状況を調べています。
横浜市交通局によりますと、29日午前8時半ごろ横浜市泉区にある市営地下鉄ブルーラインの踊場駅で、引き込み線に入った6両編成の電車が停止位置を通り過ぎて30メートルほど先にある壁に衝突しました。電車は引き込み線内を少なくとも140メートル以上走り、車止めも破壊したとみられるということです。(中略)
車両に乗っていたのは42歳の男性運転士だけで、ひざに軽いけがをし、「引き込み線に入った際に居眠りをしてしまった」と話しているということです。
運転士は28日午後3時半ごろから休憩を取りながら働き、29日午前5時すぎまでの4時間ほどは、交通局の施設で仮眠もとっていたということで、横浜市交通局は詳しい状況を調べています。
(後略)引用: 横浜市営地下鉄が壁に衝突 運転士軽傷 居眠りか
この事故の原因は明らかに運転手の居眠りなのですが、引き込み線への回送時はATOを切って手動で運転するようで、引き込み線には自動列車停止装置(ATS) がなかったようですね。これも事故の一因なのではないか?と考えます。なお、当該編成は3381Fの模様で、当面の間復帰できそうにないですね…
また、過労が原因なのではないか?という考えもあります。 運転士は28日午後3時34分から29日午前10時17分までの勤務で、29日午前1時過ぎから約4時間の仮眠をとった後に乗務していたとのことで、 勤務の終わりが近くなって眠気が襲ってきたということでしょうか?難しい問題ですが、乗客の安全な輸送のためにも過酷な勤務状況は改善を求めたいですね…
快速運転は当面の間中止
ブルーラインの快速運転についてですが、踊場駅の引き込み線が復旧するまで当面の間中止するとのこと。日中時間帯は、おおむね8分間隔で普通列車を運行しています。
Twitter上の声は?
Twitter上では当然のことながら、様々な声が上がっています。まあ、3か月足らずの間に2度も事故を起こしたのだから当然でしょうけれど…
まとめ
横浜市営地下鉄がたった3か月足らずで2度の事故を起こしたのはさすがに衝撃的でした… この事故により現時点で2編成が使用不能となっており、車両不足の懸念もあるため、何とか早く復旧させたいところでしょうね。