東武鉄道の20000系は現在20400型への改造工事を受けて順次栃木方面のローカル線へ転用されていますが(詳しくは「東武20400系、東武日光線にも投入へ」をご覧ください。)、ここへきて地方鉄道への譲渡の計画があることが判明しました。いったいどこへ移籍するのでしょうか?
東武博物館の現名誉館長花上氏の発言で判明
東武博物館の元館長・現名誉館長の花上嘉成氏の発言で20000系の地方譲渡の計画があることが判明しました。
アルピコ交通への譲渡?
山の方に導入と言われて真っ先に考えられたのがアルピコ交通の3000系の置き換えです。3000系の導入は1999~2000年にかけて行われましたが、改造種車が製造されたのは1960年代なので車齢が50年を超えます。そろそろ老朽化が進んでいるので、この辺りで置き換えが行われても不思議ではありません。
沿線の通勤・通学だけではなく上高地などへの観光にも使われていることからインバウンド需要の増加が見込まれるため、20000系の改造投入でイメージアップ出来ますし、起動加速度の低さも路線長が短いことと最高速度が高くない(50km/h)ことを考えればそこまで問題にはならないでしょう。
大井川鉄道への譲渡か?
大井川鉄道の16000系・21000系の置き換えという可能性も考えられます。こちらも製造されたのは1960年代なので車齢が50年を超えます。加えて近年車両故障による運転見合わせが目立つことを考えると、そろそろ現行の車両では限界なのではないか?と考えます。
車内が転換クロスシートだったり珍しい車両が走っているため鉄道ファンにとっては嬉しいかもしれませんが、日々使う地元の乗客にとっては現状はあまり宜しくないのではないと思われます。車内案内装置や自動放送設備がある20000系の導入は鉄道ファンにとってはあまりうれしくないのかもしれませんが、地元住民には好評で迎えられるのではないかと思われます。
ただし、変電所の電力事情が絡むことから、20000系本来の性能は持て余してしまう可能性が高いでしょう。
北陸電鉄への譲渡?
北陸電鉄の石川線への譲渡というのも有力ですが、こちらは以前に03系の譲渡が浅野川線で行われることもあり、上で挙げた2路線よりは可能性はやや落ちます(詳しくは「東京メトロ03系、北陸電鉄譲渡、他社も追随へ?」をご覧ください)。
大穴はことでんへの譲渡?
ここも一応羽床駅の近くに讃岐七富士の一つである堤山があるので、条件には適合するため紹介しておきます。
琴電の車両では、レトロ電車が順次引退するということで話題になっておりますが、ほかの営業用に使われる車両も老朽化が進んでおり、中には1070形のように車齢が60年を超えた車両も存在するほどです。
また、小型車両の600形がラッシュ時のみとはいえ、琴平線・志度線で走っているのも18m車に比べて収容力で劣るため問題です。 他の車両も置き換えたいところでしょうが、琴平線・志度線の車両の18m車での統一という点で考えますと、まずは600形の置き換えが優先されるのではないかと考えます。
その他の鉄道への譲渡の可能性は?
可能性が高いのは以上の4路線となります。
「富士急行」はJR東日本から20m4ドアの205系が譲渡されていることから、ここで18m3ドアの20000系をいれるのか?というと疑問が残るところで、恐らく今後も置き換えに伴い廃車が見込まれる205系の譲渡を狙っていると考えるのが自然なところです。「富山地方鉄道」も20m4ドアの8590系が譲渡されているため、似たような理由から可能性は低いでしょう。
「会津鉄道」と「野岩鉄道」への譲渡というのも可能性として考えましたが、新藤原や鬼怒川公園などで解増結を伴う運用があることを考えると東武鉄道の6050系もすべて置き換えなければならず、車両数から考えるとここの可能性はまずないと考えます。
後、上毛電鉄については新造車両の導入が地元紙で公言されていますので、ここの可能性はありません。
まとめ
- 本命はアルピコ交通と大井川鉄道か。いずれも車齢が50年を超えており、置き換えは急務。
- 北陸鉄道への譲渡は03系の可能性が高く、本命と比べるとやや可能性は落ちる。
- 大穴はことでん。どの車両も車齢が高く、置き換えは急務。ただ「 山の方の地方私鉄 」と言っている点とやや合わない点がある。
- 「富士急行」や「富山地方鉄道」はすでに20m4ドア車を導入していることもあり、18m3ドアの20000系を投入するとは考えづらい。
- 「会津鉄道」と「野岩鉄道」への譲渡は東武鉄道の6050系を全面おきかえする必要があり、車両数から考えるとこの可能性はない。「上毛電鉄」はすでに昨年の時点で新車導入を発表済み。