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 まさかこんな事態が起きるとは夢にも思わなかったでしょうね。国府津駅5:56発高崎行きの普通列車が大船駅手前で東海道貨物線に誤侵入する事態が起きてしまいました。この影響で東海道線が一時運転を見合わせたほか、当該列車はそのまま東海道貨物線を走行するという大変珍しい光景が見られる事態となりましたが、反応はどうだったのでしょうか?

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何と貨物線に侵入してしまう…

上野東京ラインの普通列車が“貨物線”に進入 4駅飛ばし…武蔵小杉駅で臨時停車に 近くの信号機でトラブル|TBS NEWS DIG

直前に走った列車の影響で貨物線に?

 直前に走っていた貨物列車の影響で?貨物線への進路が構成されていて、電車の運転士が信号を見誤ったことが原因となったようです。東海道線が一時運転を見合わせたほか、当該列車は後戻りできなかったのか?そのまま貨物線を走行し武蔵小杉まで向かったのち東京駅で運転取りやめとなった模様。

 鉄道ファンにとっては思わぬご褒美?だったかもしれませんが、一般の利用客にとってはいい迷惑だったでしょうね…

ネット上の反応は?

 トラブルの原因の『旅客線用の信号を見なければならない所で、運転士が誤って近くにあった貨物線用の信号を見てしまったため。』という記述に違和感を感じます。

 たしかに、貨物線用の信号機が青信号であること(異線現示)に運転士がもっと早く気づいて、信号の手前に停車して指令に報告していれば、列車は本来の経路で運転できたでしょう。

 しかしそれ以前に、誤った進路が構成されていたのがそもそもの原因なので、その原因(例えば指令員のヒューマンエラーなのか、指令室のコンピューターのトラブルなのか)が明らかにされるべきだと思います。

引用:JR東海道線が一時運転見合わせ 信号を見誤り、貨物線に進む

 東海道(旅客)線の上りでは、大船駅手前の大カーブ抜けて100km/hぐらいの速度で第一閉塞を見るんだが、ここに進路予告表示灯が併設されており、これを見落とせば万が一進路が違っていたとしても場内信号機の手前で停車することは難しくなる。

 進路設定の誤りという超レアケースではあるが、運転士は進路予告表示に気づかず、場内信号機が貨物線側に開通していたのを現認して慌てて急制動したものの間に合わずに、場内信号機の内方にまで進んでしまったのではないかと思う。もっと漫然と操作していれば、貨物線方向へ分岐する分岐器に大幅な速度超過で入って脱線する恐れもあり、それがなかっただけでも不幸中の幸いと言える。

 第一閉塞信号機に併設されている進路予告表示灯は、左右両点灯(○)(○)だと旅客線、左のみ点灯(○)(●)の時は貨物線という紛らわしさ。この辺りを何とかしないと、信号誤認事故は今後も起こる恐れが大きい。

引用:JR東海道線が一時運転見合わせ 信号を見誤り、貨物線に進む

 他線区ですが元運転士です。異線進入の取扱は必ずどこの線区にもあるので、それに反した運転士の責任はもちろんありますが、それ以上にどうして貨物線へ進路が引かれていたのかが不思議でなりません。

 本来、鉄道信号機が故障した場合フェールセーフで必ず停止現示となります。万が一球切れなどの際は全てが消灯し、=停止と定められています。故障でなければ、指令が意図的に操作した以外は考えられないわけで、そうなれば責任は運転士だけでは済まされない話になります。

 また、この輸送障害の影響は貨物線経由となったことによる4駅利用者の乗り降りができなくなったことと、30分の遅延とのこと。その30分で当該信号機の動作安全確認がなされたのでしょうか?後続の列車に対する信号異常はなかったようですが、それはあくまで結果論であり、事態の大きさに反して復旧があまりにも早かったことが逆にとても怖いです。

引用:東海道線普通列車が信号トラブルで貨物線に誤進入 鎌倉・大船駅

 運転士に責任は無いというコメントが散見されますが、これは異線現示進入と言って、運転士と指令員(この場合計画担当者)の両者の事故扱いになります。運転士は時刻表(業務命令書に相当)の運転線路に指示された条件通りに信号が現示されていることを確認する業務があります。

 ただし今回の場合はPRC(計画時に列車ごとの運転線路を指定するプログラム入力のようなもの)の入力間違えだと思われるので、衝突事故等の重大事故の可能性は小さいものの、分岐器制限超過により非常ブレーキ動作は起こり得たかもしれません。

 異常時の運転手続き変更などが生じていた場合など同情の余地がありますが、遅れなし定期列車でこのような事故を起こすのは、同業者としては厳しい目で見てしまいます。

引用:上野東京ラインの普通列車が“貨物線”に進入 4駅飛ばし…武蔵小杉駅で臨時停車に 近くの信号機でトラブル

貨物線に乗車するには?

特急湘南10号 貨物線・地下線・下剋上停車 イレギュラーな運転で趣味的には大興奮する、JR東日本の通勤特急に乗ってきた

 今回の事件の舞台となった東海道貨物線は定期列車が運行されており、特急「湘南」のうち横浜駅を経由しない列車が東海道貨物線を走行しています。えきねっとであればお得に特急券を購入できますので、興味がある方は乗車してみて下さい。なお、特急「湘南」は通勤通学客の輸送という特性上、土休日は全列車運休となっていますので注意が必要です。