2020系の導入に伴って置き換えが進んでいる8500系ですが、4/19に車庫に於いて東急電鉄職員による8606Fとの撮影会が実施されている様子が確認されました。これにより、恐らく8606Fは近日中に運用を離脱するものと思われます。
今回は8500系の概要やサークルK編成の移り変わりなどをまとめました。
8500系の概要
8500系は東急電鉄で当時運用されていた8000系を万蔵門線乗り入れ対応として各種改良を施した車両です。1975年~1991年にかけて計400両が製造されました。
車体はステンレス車体を採用し、前面は8000系より150mm高い高運転台構造を採用。行先表示幕の左側に種別表示幕を右側に運行番号表示幕をそれぞれ設置しました。また、路線識別帯として先頭車の前面に東急のシンボルカラーと警戒色を兼ねた赤帯を入れて登場しました。なお、1981年度以降に製造された車両は東急車輛が独自に開発した軽量ステンレス車体を採用して軽量化を実現しています。
電動車の比率についても、故障した先行列車を救援するには大きな出力を必要とすることから8M2Tとしており、先頭車も電動車となっています。なお、これにより十分な出力と高い加速性能を確保しましたが、反面降雨・降雪時などは空転滑走を起こしやすくなってしまいました。
当時主流となっていた界磁チョッパ制御が引き続き採用されましたが、VVVFインバータ制御への更新と2000系の試作車を兼ねた8500系最終編成の8642Fでは2種類のVVVFインバータ制御車が組み込まれています。
なお、全面表示幕は3色LEDやフルカラーLEDに改造された編成も存在し、その他車内案内表示器を設置した編成や自動放送を搭載した編成も存在します。
1997~2001年には老朽化した車両の車体・車内更新工事が施行されていましたが、その後後継車の5000系を投入方針となり、施工は中止されました。
5000系の投入に加え、昨年からは後継の2020系の投入も開始され、2022年度までに置き換えを完了する計画となっています。
サークルK編成とは?
2003年3月に半蔵門線水天宮前駅~押上駅間延伸と同時に東武伊勢崎線・日光線の相互直通運転が開始されましたが、この時に東武線用保安装置の追設などの改修が見送られ、東武線乗り入れ非対応となった編成があります。これらは、識別のために前面非常扉の右隅に丸囲みの「K」のシールが貼付されたため、サークルK編成と呼称されることになりました。
サークルK編成は8500系の8603F~8614F・VVVFインバータ搭載の8642Fに加え、編成数が少なく対応が見送られた2000系・8590系となっていました。
当初は東武線直通の列車が少なかったためにそこまで問題はなかったのですが、ダイヤ改正毎に東武線直通の運用が増加しました。これにより出番も次第に減少し、平日の朝夕ラッシュ時以外は車庫でお昼寝という状況が増えてきました。
同時に5000系の増備も進んだことでサークルK編成の廃車・他社への譲渡が進みどんどん少なくなっていき、現在は8606Fのみが該当している状況です。
社員のみで撮影会実施、コロナ禍が影響か?
新型車両2020系の導入も発表され投入が進む中、4/19に車庫に於いて東急電鉄職員による8606Fとの撮影会が実施されました。
原形を比較的留めた姿で注目を集めている8606Fですが、推定される検査期限が近いことから運用離脱の可能性が高いと思われます。また、最後の幕車となっている点も注目点でしょう。
最も、コロナ禍が原因ラストランが表立って行えなくなり社員の撮影会になったか、というと疑問も残ります。
つい先月このような事態が起こりましたし、熱心な鉄道ファンに対し自粛を呼びかけたところで何の効果もないことは明らかですからこういう風にするのは止むを得ないでしょう。
このような状況になったことは大変遺憾であり、迷惑撮り鉄は某有名Youtuberの言葉を借りると「生きてる価値がないなんてもんじゃない、殺されるべき位のレベル」ですね。
追記:8606Fの撮影に訪れた方が多いようですが、その中で新型コロナ感染者と思われる症状を発症した方が居るようです。
30000系も半直運用離脱?
最後にもう一つ気になる情報として、東武鉄道の30000系が先週から半直運用を離脱しているという情報があります。
こちらも30000系の東武線系統への転用が噂されているためどうなるか注目でしょう。