昨年の時点で房総南線などに新車を導入してワンマン化する計画は出ていましたが、ここへ来て具体的な組合提案があり、仕様と投入形態が一部明らかになりました。また、運転開始の時期についても来年春からと発表がありました。今回はこれらの情報から今後の運行形態などがどうなるか予想してみました。
E131系の詳細な情報判明
上の記事で新車に関する予想はしていましたが、今回正式に仕様などが発表されています。
- E129系の続番で、系列名はE131系。
- 車両は前面貫通型・衝撃吸収構造と思われる4扉車。拡幅車体を採用か。
- ボックスシートが1編成に4か所設置され、残りはロングシート。車端部にトイレとフリースペース・優先席を設置。
- 検査体系はモニタリング保全体系になることが発表されている。車両の部品についてはE235系が総武快速・横須賀線に投入されることから、E235系と共通の部品を採用する可能性あり。→制御装置にSiC-VVVFを採用。
- 車載型ホームモニタシステム(車両完結型)を導入し、運転台のモニターでドア付近の乗降の確認を行う。
- 車内に運賃箱は設置しない、都市型ワンマン運転とする。既に房総南線や鹿島線は各駅にSuicaが導入されているため、信用乗車方式を採用する模様。
- 情報案内装置として自動放送の採用や多言語対応のLCDディスプレイを設置。フルカラー行先表示器設置を採用する。
- 半自動ドアを採用し、車内の保温性を強化。
- 客室内防犯カメラを設置、非常通話装置の増設を行う。
投入本数や運用はどうなる?
現在、投入が予定されているのは以下の区間です。
- 内房線(木更津~安房鴨川)
- 外房線(上総一ノ宮~安房鴨川)
- 鹿島線(佐原~鹿島神宮)
投入本数としては2両編成十数本を予定、209系を完全に置き換えることはない模様です。
また、運用に関しては「朝夕のワンマン化は行わない。現在の運転本数は維持する。系統分離を行う」という趣旨の会社側の発言がありますので、そうなると朝晩は複数本つなげての運用も考えていると読み取れますね。
検査などは幕張車両センターで行うことになるでしょうから、出入区は幕張車両センターへの回送列車を別途設定するものと思われます。
余剰の209系はどうなる?
これに伴い209系に余剰が発生する予定ですが、東京オリンピックの観客輸送に使用した後は廃車になるものと思われます。
※東京オリンピックは2021年への延期が決定しています。
なお、これに先立ち総武快速線での試運転が行われています。
ただ、209系だとE217系に比べ性能が劣ること、新小岩駅にはホームドアが設置されており停車不可であることを考えると総武快速線内は特別快速として停車駅を絞ることが予想されます。
また、東京駅発着ではなく普段は使用されていない臨時ホームがある両国駅発着とする可能性も捨てきれず、どのようなダイヤ設定となるのか臨時列車の発表に注目です。
今後は総武快速線・京葉線乗り入れ強化?
現在、巌根駅ではホームの延伸工事が進められており、これが完成する来春ダイヤ改正をめどに総武快速線からの直通列車も巌根駅に停車する見込みとなっています。
となると、少なくとも内房線と外房線は京葉線・総武快速線からの直通列車をメインで運行する形にして、209系が入るのは東金線への直通列車を除いては朝晩だけになるのかもしれません。
ただし、総武快速線の15両編成では日中は明らかに輸送力過剰でしょうから、11両編成での乗り入れになるでしょうね。