SuicaやPasmoなど、交通系ICカードに対応している鉄道会社やバス会社は多く、大都市圏の人々の移動にとっては不可欠なものとなっています。
しかしながら、ICカードによって経路が判定できないことから、事業者側の意に反して計算される運賃がかなり安くしまっているケースが散見されます。今回は東京メトロ東西線に関する話です。
運賃を調べていて発覚
今回、津田沼から中野へ向かうルートをえきねっとで調べていました。
ここまでは、良くある話です。ところが、ICカードでの運賃を調べたところ、驚愕の結果が。
津田沼~中野間は電車特定区間で両駅間は38.3キロですから、正しいICカードの運賃は637円のはずです。一体なぜこんな事になっているのでしょうか?
東西線の津田沼乗り入れが原因?
よくよく考えてみると、東京メトロ東西線は朝晩のみ津田沼まで乗り入れてくる運用がありました。
平日の昼間は土休日は確実に西船橋駅での乗り換えが生じますから、ここで経路の判定ができますが、東西線と総武線の直通列車ではこの中間改札を通らないため、東西線ルートと総武線ルートの2種類が候補として挙がってしまいます。このため、自動的に安い方の東西線ルートの運賃を引き落としているのでしょうか?
解決策はあるのか?
まず考えられるのは、朝晩のみ行われている東西線列車の津田沼乗り入れを取りやめ、JR線からの乗り継ぎ客が必ず連絡改札を通るようにすることが考えられます。
しかし、この案はあまりにも非現実的です。残念ながら、これ以上西船橋駅の収容力はないように思われますし、何より西船橋駅での折り返しが困難でしょう。
車両使用料精算の観点から言っても、津田沼折り返しをやめてしまうとJR車がより多く東西線内を走らなければならなくなります。
せめて経路が明確に判別できる平日の日中や土休日だけでも正しく運用されるようになった方がよいのではないでしょうか。JR東日本は儲かっているからそこまで大きな問題にならないのでしょうが、これが中小私鉄なら死活問題となっているでしょう。
まとめ
ICカードで安く乗れるのは利用者にとっては喜ばしいことかもしれませんが、事業者側からしたら大きな取りこぼしが生じているわけで、今後何らかの改善策が必要になってくるのではないか?と思いました。さすがに運賃の4分の1も取りこぼしてしまっているのは事業者の本意ではないでしょうし。