JR東海は10/31に同社が目指す鉄道の将来像や主な取り組みについて発表しました。全線へのTOICAエリア拡大や東海道新幹線への自動運転導入・上級クラス設置の検討など中々に衝撃的な内容となっています。
全線でTOICA利用が可能に
まず衝撃的だったのはTOICAエリアの利用範囲がJR東海全線に拡大されるということでしょうか。現在の利用可能エリアは以下の通りです。
- 東海道線のJR東海管轄エリア全線
- 御殿場線全線
- 愛知環状鉄道全線
- 武豊線全線
- 中央西線…名古屋~中津川間
- 関西本線…名古屋~亀山間
- 身延線…富士~西富士宮間
- 飯田線…豊橋~豊川間
- 高山本線…岐阜~美濃太田間
- 太多線全線
ここから全線へTOICAエリアを拡大するわけですが、どうするのか。個人的な予想としては
- 紀勢本線の亀山~新宮のうち特急「南紀」の停車駅・参宮線はIC改札機を設置。紀勢本線の亀山~新宮のうち特急「南紀」の非停車駅と名松線に関しては車載型IC改札を設置して対応→キハ11形・キハ25形を改造か。
- 中央西線については特急「しなの」の停車駅及びにはIC改札機を設置、特急「しなの」の非停車駅に関しては車載型IC改札を設置して対応と思われる
- 1日2往復運行されている中津川~松本のJR東日本受け持ち211系運用は終了か?中央西線の普通列車は入出庫運用を除いて塩尻駅で折り返しに?
- 高山本線に関しては美濃太田~猪谷駅の特急「ひだ」停車駅に関してはIC改札機を設置。特急「ひだ」非停車駅に関してはキハ25形に車載型IC改札を設置して対応するのではないか。
- キハ75形は岐阜~美濃太田~多治見間のみの運用に?
- 身延線は朝晩に非ワンマンの列車があることを考慮するとIC改札機を設置して対応する可能性が高いと思われる。
- 飯田線は豊川~本長篠まではIC改札機を設置。残りの区間に関してはIC改札機を設置して対応するか車載型IC改札を設置して対応するか現時点では不明
3両編成以上でもワンマン運転を実施へ
在来線では、3両以上の編成にもワンマン運転を導入することを発表しました。運転士がモニターにより各車両側面に設置したカメラの画像を確認する他、乗客のドアの挟まれや転落等を検知する画像認識技術活用の検討を進めているとのことです。
恐らく315系の4両編成投入に伴うもので、東海道線の普通列車や朝晩の関西本線・武豊線でワンマン運転を行うと思われます。なお、静岡地区の313系がワンマン対応改造を受けるかは現時点では不明です。
東海道新幹線は全駅で可動柵設置・半自動運転へ
東海道新幹線では全駅に可動柵を整備し、安全性を向上させると共にダイヤの安定性を向上させます。
また、運転中の速度制御及び停車を自動化することにより運転士の運転支援を行い、運転士は駅発着時のホーム上の安全確認・ドアの開閉を行い異常時においては列車の責任者として対処を行います。車掌は列車内で旅に不慣れなお客様などのサポート業務に注力すると共に、巡回を強化し車内の安全性を強化します。
このほか、ネット予約・チケットレス化を拡大し、乗客の利便性を向上します。
東海道新幹線に上級クラス設置?
また、東海道新幹線ではグリーン車の上級サービス導入も検討されているとのこと。これがグランクラスに相当するものなのか?或いは以前運行されていた100系に設置されていた個室なのかは現時点で判明していませんが、運行形態なども含めて今後の動向に注目が集まります。
また、駅ワークスペース「EXPRESS WORK」やN700S系の一部に設置されている「ビジネスブース」のように、乗車前後を通じシームレスに仕事ができる環境をさらに充実させます。
駅係員の人員最適化
「サポートつき指定席券売機」や「集中旅客サービスシステム」など、遠隔でのご案内サービスを拡充します。これに伴い早朝・深夜時間帯などでもきっぷが購入可能となる駅を拡大します。なお、駅係員の配置はご利用実態にあわせて最適化します。