地下鉄サリン事件の発生から今年で30周年を迎えました。死傷者も多数出た前例のない事件でしたが、被害車両たちの中には一線を退き新たな車生を送る車両たちも存在します。一体どんな第二の車生を送っているのか、現状をまとめました。
地下鉄サリン事件の概要
地下鉄サリン事件は、1995年3月20日午前8時頃、東京都心の地下鉄で発生した無差別テロ事件です。オウム真理教のメンバーが、丸ノ内線、日比谷線、千代田線の計5編成の列車内でサリンを散布しました。14人が死亡、6000人以上が負傷した前代未聞の事件でしたが、当該列車・車両はどんなものだったのでしょうか。
丸ノ内線
丸ノ内線では次の2列車が事件の当該列車となりました。
- 荻窪発池袋行き…列車番号はB701、事件当日の充当編成は02-150F。サリンが散布されたのは5号車、四ツ谷駅進入時にパックに穴を開けサリンを散布。
- 池袋発荻窪行き…列車番号はA777、事件当日の充当編成は02-116F。サリンが散布されたのは3号車、御茶ノ水駅到着時にサリンを散布。
02-116Fは後にB修繕工事が施行されたものの後継車両(2000系)の投入によって2022年に相次いで置き換えられいずれも運行を終了。解体されてしまったため両編成は現存していません。
日比谷線
日比谷線では次の2列車が当該列車となりました。
- 中目黒発東武動物公園行き…列車番号はB711T、当該編成は20000型第11編成。恵比寿駅進入時にサリンを散布。
- 北千住発中目黒行き…列車番号はA720S、当該編成は03-110F。サリンが散布されたのは3号車。秋葉原駅到着前にサリンを散布も、小伝馬町駅で乗客がサリンのパックをホームに蹴りだす。
03系は後継の13000系に、20000型は後継の70000系にそれぞれ置き換えが行われたため日比谷線での運行を終了しています。03-110Fは5ドア車だったこともあり転用が難しかったのか?2017年11月に廃車されてしまいます。
20000型第11編成は2017年10月に運用から離脱後、先頭車が20400型21421Fに転用され、現在も日光線や宇都宮線で活躍を続けています。
千代田線
千代田線では我孫子発代々木上原行き(列車番号A725K、当該編成は203系マト67編成)が標的となりました。先頭車のクハ202-107に新御茶ノ水駅到着直前にサリンが散布され、霞ヶ関駅でサリンを排除した駅助役など2名が殉職しました。
203系は後継のE233系に置き換えられ、マト67編成も2011年7月に運用を終了します。廃車解体されるものと思われましたが、その後何とフィリピンに譲渡され、客車として?現在も活躍を続けている模様です。
事件発生から30年を経て風化、そろそろ次の大事件が起きる予感?
事件から30年も経ってしまいましたし、単発の無差別殺傷は起きてもあまり大規模な事件は最近起きていませんからねぇ。ネタに困っていますし、そろそろ大規模な事件が起きてくれないかな…と筆者としては思いますね。果たしてどこを舞台に事件が起きるのか楽しみに待っていましょう。