新幹線と在来線特急列車を乗り継いだ場合に在来線特急料金等が半額となる「乗継割引」の制度ですが、JR各社は新幹線と在来線特急列車で行われていた「乗継割引」を廃止すると発表しました。近年は縮小傾向にあったわけですが、遂に一時代を築いた制度が消滅することになります。
乗り継ぎ割引の歴史
「乗継割引」の制度は東海道新幹線の開業に当たり、並行する在来線の特急・急行列車が新幹線に代替される形となったために以前の在来線であれば直通で利用できた区間であっても複数列車に乗車せざるを得なくなるケースが発生し、特急料金における各々の列車に対し各々の料金を適用するという原則を維持しつつも実質的な値上げの緩和のため新幹線に接続する在来線の料金を減免する措置として導入されました。
新幹線の新規開業に伴い適用例が増えてきましたが、九州新幹線開業時には適用がなされず、以降は減少に転じました。現在は以下の例で適用されます。
- 東海道・山陽新幹線の新横浜~相生駅間で新幹線と在来線特急を乗り継ぐ場合
- 東海道新幹線の小田原駅・熱海駅・三島駅を乗継駅として乗車する「(サフィール)踊り子」号及び「湘南」号は除外
- 東海道新幹線および山陽新幹線の各駅を乗継駅として乗車する「WEST EXPRESS 銀河」号は除外
- 新大阪駅で新幹線と乗り継ぐ場合に限って大阪駅でも適用。特急「はまかぜ」に乗り継ぐ場合などを想定。
- 新青森駅で東北・北海道新幹線と特急「つがる」を乗り継ぐ場合
- 長岡駅・新潟駅で上越新幹線と特急「しらゆき」・「いなほ」を乗り継ぐ場合
- 長野駅・上越妙高駅・金沢駅で北陸新幹線と特急列車を乗り継ぐ場合
- 新函館北斗駅で北海道新幹線と特急列車を乗り継ぐ場合
来春のダイヤ改正で廃止に
しかし、新幹線ネットワークの拡大や、インターネット販売等の拡充したことにより利用方法は変化していき「紙のきっぷ」の需要は急減。これを受けてJR各社は遂に乗継割引の制度を廃止することとなりました。
西九州新幹線・北陸新幹線での割引制度は継続
なお、西九州新幹線と門司港・博多~武雄温泉間に運転する特急列車(36ぷらす3号を除く)を乗り継ぐ場合については、新幹線と在来線特急列車との乗り継ぎ料金制度を採用せず、新幹線と在来線の特急料金を各々1割引して合算した特急料金で計算しています。この制度についてはダイヤ改正後も継続します。
また、金沢~敦賀が開業する北陸新幹線についても敦賀駅で新幹線と特急列車を乗り継ぐ場合新幹線と在来線の特急料金を各々1割引して合算した特急料金で計算します。