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 8月の大雨で被災して以来運休が続く津軽線の蟹田~三厩駅間ですが、バス転換も視野に存廃協議を県や沿線自治体と来年1月にも始めることをJR東日本が明らかにしました。

JR西日本グループが“鉄道専用”SNSアプリ始めました!

津軽線末端区間がバス転換へ…

 JR東日本盛岡支社の久保公人支社長は19日、記者会見し、今年8月に東北地方を襲った大雨で、青森県の津軽半島の一部区間が不通となっている津軽線について「廃線も存続も可能性としては含まれる」と述べ、今後の在り方を県や関係自治体と協議する方針を明らかにした。

 久保氏は不通となっている蟹田(外ケ浜町)―三厩(同町)間の復旧費用について「少なくとも6億円かかる」と説明。一方、利用者は1日100人程度で「大量輸送のメリットを発揮するのは困難」とした。

引用:津軽線は「存廃も含め協議」 大雨被害、一部区間が不通

 ある程度予想はされていましたが、津軽線の末端区間についてバス転換を視野に存廃協議を始めることが明らかとなりました。

ゆっくりの鉄道講座第38回 何の前触れもなく突如として消えた路線、岩泉線

 似たような路線としては岩泉線が挙げられるでしょうか。1982年には特定地方交通線に選定されたものの国道340号の一部未改良区間がネックとなり辛うじて存続したものの、輸送密度は減り続け2009年度の輸送密度は46人/日まで減少。JRグループ全路線はおろか私鉄・第三セクター鉄道を含めた全鉄道路線の中でも最下位となる数字を叩き出してしまいます。

 終焉は突然訪れました。2010年の7/31に岩泉線の押角駅~岩手大川駅間を走行中の茂市発岩泉行き普通列車が土砂崩れの影響で脱線しケガ人こそ出ませんでしたが乗員2名と乗客7名のうち運転士と乗客3名が軽傷を負う事態に。8/2からバス代行輸送となりましたが、JR東日本は復旧に難色を示し2012年の3/30には岩泉線廃止の意向を表明。結局、並行する道路が改良されたこともあり2014年の4/1を以て全線がバス転換されています。ちなみに、末期は全線を運行する列車が1日3往復しか走っていませんでした…

観光需要はタクシーで十分…

 すでに津軽線の末端区間には並行する形で観光地まで向かえる乗合タクシー「わんタク」が運行されており、こちらで観光需要はほぼ賄えてしまっている状態となっています。強いて言うのであれば、もう少し運行時間を延ばしてほしいですが…

 強いて挙げるとすれば朝晩の通勤通学客の輸送ですが、これも奥津軽いまべつ駅から新幹線で青森へ向かってもらえばほぼほぼ解決するのではないでしょうか?ある程度補助を出す必要はあるかもしれませんが、それでも赤字の末端区間を存続させるよりは安いのではないかと思われます。

青春18きっぷでの北海道との行き来はどうする?

18切符オプション券を使用して北海道から脱出した。

 残す問題は青春18きっぷや秋の乗り放題パスでの本州・北海道間の行き来をどうするかということでしょう。現在はオプション券を併用することにより五稜郭~木古内の道南いさりび鉄道と木古内~奥津軽いまべつの北海道新幹線に乗ることができますが、もし津軽線の末端区間が廃止となってしまえば奥津軽いまべつから先の鉄道が亡くなってしまいます。

 「北海道&東日本パス」の場合北海道新幹線の新函館北斗~新青森の空席を特定特急券を購入すれば利用可能ですので、「青春18きっぷ」や「秋の乗り放題パス」に関しても同様のルールとすることも考えられます。しかし、道南いさりび鉄道にとっては貴重な収入源となっていることあり、そうなると若干値上げして現行では奥津軽いまべつまでしかオプション券で乗車できないのを新青森まで乗車可能とすることも考えられるでしょう。

 果たしてどのような決断を下すのか?今後の動向に注目しましょう。