スポンサーリンク

 2023年度で運行を終了する木次線のトロッコ列車「奥出雲おろち号」ですが、その後継が「あめつち」とすることをJR西日本が沿線自治体向けに表明しました。しかし、その乗り入れ区間が出雲横田駅までとなっており、出雲横田駅まで存続は2024年以降もほぼ確定的となった一方で出雲横田~備後落合間のバス転換が可能性として浮上してきました…

JR西日本グループが“鉄道専用”SNSアプリ始めました!

後継は「あめつち」に!?

 JR西日本米子支社は20日、2023年度で運行を終える木次線の観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」の代替として、山陰線の観光列車「あめつち」を木次線の宍道―出雲横田駅間に乗り入れさせる考えを明らかにした。この日、松江市内であった沿線自治体向けの説明会で示した。

 想定では乗り入れ開始は24年春からで、夏休みや紅葉シーズンなどに運行。全国的に希少な三段式スイッチバックや雄大な眺望がある出雲横田―備後落合駅間を走らない理由について、同支社は「勾配がきつく、走行が難しい」と説明した。

 雲南市や奥出雲町が財政支援する考えを示していた新たな観光列車導入について、同支社は「経営的、技術的観点から行わない」と回答。おろち号利用者の4割が山陰在住者だとして「観光列車としての目的を果たせていない」とした。

引用:「あめつち」木次線に乗り入れ検討 「おろち号」の代替に JR西

 「奥出雲おろち号」の後継として2018年から山陰地方で運行している「あめつち」を木次線の宍道~出雲横田駅間で運行することをJR西日本が表明しました。

 完全な「奥出雲おろち号」の代替とまでは言えませんが、少なくとも出雲横田駅までは2024年以降も木次線の運行を継続する…ということになりそうで、沿線自治体もまずはホッとしているのではないでしょうか?

 ただし、「あめつち」は全車グリーン車指定席のため、青春18きっぷや秋の乗り放題パスでの乗車は不可能となります。少しでも増収を図りたい…というところでしょうか?

出雲横田~備後落合間はバス転換の可能性大

日本一乗車困難な観光列車に乗ってきた

 同時に今回の発表により、現在定期列車が1日3往復のみの運行となっている出雲横田~備後落合間については廃線となる可能性が極めて高くなりました。出雲坂根の3段スイッチバックやおろちループは有名ですが、さすがにそれだけのために存続させるのはもう不可能なのでしょう…

 JR西日本が発表している資料によると、現在の同区間の平均通過人員は18人/日。事実上、鉄道としての役目は終えていると判断せざるを得ない状況。木次線の同区間が冬眠した際もタクシーの代行で事足りるような現状です。

 同区間にはバス路線も走っていますし、代替メニューは概ね揃っている現状。後は沿線自治体をどうJR西日本が説得するか?というところでしょう。

芸備線などの廃線にも影響か?

【営業係数100000】乗客は私一人だけ:赤字ローカル線の極致、芸備線の旅(新見-東城-備後落合)【VOICEROID鉄道】

 木次線の末端区間が廃止となると芸備線の末端区間の存廃も気になるところです。現状では、東城~備後落合間の平均通過人員が9人/日となっているのをはじめ、備中神代~東城間が80人/日、備後落合~備後庄原間が63人/日。この区間の廃線を当然JR西日本としては考えているでしょう。

 更に福塩線の非電化区間となっている府中~塩町間も1日6往復の運行で同区間の平均通過人員は150人/日。こちらも存続は極めて厳しい状況にあると考えてよさそうです。

 乗っておけば良かった、撮っておけば良かった…となってからではもう遅いです。お気に入りの路線が危ないと思っている方は後悔の無い行動を(但し法律やルール・マナーは守って)。