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 つくばエクスプレス(以下、TXと略す)は開業から利用者の増加が続いており、車両増備・増発だけでは乗客を捌ききれなくなると判断したのか、先週ついに列車の8両化を行うことを発表しました。

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また、TXは東京駅への乗り入れだけではなく、臨海都心部に建設が予定されている地下鉄への乗り入れも視野に入れているとのことなので、今回はこの部分についても考察を行う。

TX建設の経緯

 現在のTXは当初、慢性的な混雑が続いていた常磐線の別線「第二常磐線」として計画が立てられていました。そして、1985年7月に東京~守谷間が「 目標年次までに新設することが適当である区間」、守谷~ 筑波学園研究都市間が 「今後新設を検討すべき区間」とされ、後者についてはさらに「需要の動向、沿線地域の開発の進捗状況等を勘案の上、整備に着手する」とされました。

  当初はJR東日本が建設・運営するものと思われていましたが、結局は第三セクターによる運営が行われることとなりました。また、 守谷~ 筑波学園研究都市間についても茨城県の強い働き掛けで第2期線から第1期区間に格上げされています。

  また、気象庁地磁気観測所への影響を避けるため、守谷~つくば間に関しては交流電化区間となっています。

 このような紆余曲折を経つつ、2005年8月にTXは開業を迎えました。

利用者は増加の一途

2000系 快速
引用:2000系

 2005年に開業したTXは全線高架・地下化されており踏切が1つもなく、当時はまだ珍しかったホームドアやATO(自動列車運転装置)の採用も行われています。

 開業前の1日当たりの平均乗客数は13万5千人とされていましたが、開業初年度の1日当たりの平均乗客数は 15万人を超え、あっさりと目標達成しています。また、2009年には黒字化にも成功しました(以降黒字)。

 通勤輸送だけではなく、2006年4月から販売している「筑波山きっぷ」や「 筑波山あるキップ 」の設定による筑波山への観光需要の掘り起こしにも成功し、現在も乗客の増加は続いています。

 このような事情から開業時から現在に至るまで増発が続けられています。

増備車投入とロングシート化改造

 開業当初は直流区間のみ運転のTX-1000系が15本、全線で運行可能なTX-2000系が16本の配置でしたが、TX-2000系は2008年度に4本、2012年度に更に3本増備されました。

 また、平均乗客数が2017年度は約37万人と開業当初の倍以上に増加し、2012年のダイヤ改正ではラッシュ時において快速に代わり通勤快速( 快速停車駅に加え、六町駅・八潮駅・柏の葉キャンパス駅・研究学園駅に停車 )を設定しています。

 このようなことから、 TX-2000系の3号車と4号車に設けられていたクロスシートのロングシート化改造が始まりました。2016年度の発表時点では開業以降に増備された7編成についてはクロスシートを残す予定でしたが、 2018年6月に発表された中期経営計画で残りの7編成についてもロングシート化改造が行われることが発表されています。

 また、2020年3月までにTX初のフルモデルチェンジ車「TX-3000系」が5本導入される予定です。これにより、朝ラッシュ時の運行本数を現行の22本から25本へ増発することとなっています。

今後の展望は?

 今後の大きな話題として、列車の8両化と東京駅乗り入れや臨海部に建設が予定されている地下鉄新線への乗り入れが挙げられます。

 まず列車の8両化については既に発表が行われており、今後車両の増備やホーム延伸、機械設備・通信信号設備などの増強を行うとしています。2030年代前半までには完了することが見込まれています。

 筆者の予想としては、これと同時に車両の改造も行い、 最高速度160 km/hでの運転を運転を開始するのでは?という希望的観測も述べておきます。在来線での 160 km/hでの運転はスカイアクセス線の「スカイライナー」で行われており、過去にはほくほく線の特急「はくたか」でも行われていました。もし160 km/hでの運転が実現すれば、乗車券のみで乗れる列車としては最も速い列車ということになります。

 東京駅乗り入れについてですが、計画当初は東京駅が起点とされており、近い将来東京駅乗り入れは実現するものと考えられます。そうなると、常磐線や高速バス「つくば号」と全面的に競合することになります。

つくば号
引用:つくば号

 常磐線は特急や普通列車でもグリーン車やクロスシートといった設備があり、時間的にもそこまで差がない(TXの東京駅は地下深くに設置される予定)ことから特別快速の増発などで対抗できると思いますが、高速バス「つくば号」は壊滅的な打撃を受けるのではないでしょうか? 流石に廃止にはならないかもしれませんが、大幅な減便は避けられないでしょう…

 さらに、臨海部の地下鉄新線は国際展示場駅で 羽田空港アクセス線の臨海部ルートに直結させる計画があるようで、ひょっとしたら羽田空港でTXの車両が見られるかもしれませんね。

まとめ

 いかがでしたか?8両編成化を決断するほど盛況なつくばエクスプレス、今後の展開がどうなるか目が離せないですね。個人的にはぜひとも 160 km/hでの運転と羽田空港乗り入れを実現させてほしいところです。羽田空港乗り入れとなった暁には座席定員制の列車の投入も行われるでしょうし、今から楽しみですね。