東武野田線、来春ダイヤ改正で大幅に利便性向上！

　東武野田線（通称： 東武アーバンパークライン ）で来春ダイヤ改正が行われます。既に来春から全線で急行運転を行うことや最終列車の繰り下げ、柏発「アーバンパークライナー」新設などが取り上げられていましたが、今回区間急行の新設など詳しい情報が入ってきましたので、各項目ごとに紹介していきます。

JR西日本グループが“鉄道専用”SNSアプリ始めました！

全線で急行運転開始！

　逆井～六実間の複線化工事完了に伴い、新たに運河～船橋間で急行運転を開始し、全線において急行列車を運転します。停車駅は大宮・岩槻・春日部～運河間各駅・流山おおたかの森・柏・高柳・新鎌ケ谷・船橋です。

　日中時間帯は、大宮～船橋間で直通の急行列車を毎時２本運転し、所要時間が１６分短縮します。 特に新たに急行運転を開始する千葉北西部エリア内の交通網の利便性が大幅に向上し、日中のおでかけやお買い物がより便利になります。

　一方、朝・夕夜間ラッシュ時間帯は柏～船橋間で急行列車を毎時２本運転し、平日朝ラッシュ時間帯は9分、夕夜間ラッシュ時間帯は11分短縮、通勤・通学時の速達性が向上します。

　朝夕ラッシュ時と日中時間帯で急行の運転系統が異なりますので、それぞれ見ていきたいと思います。

日中：大宮～船橋間を直通運転

　まず、日中時間帯は大宮～船橋間を直通運転します。柏～船橋間の南北移動の速達性・利便性が向上することにより、千葉県北西部エリアの移動に関し乗換回数の減少や所要時間の短縮が期待されるため、松戸市・我孫子市周辺エリアや千葉市周辺エリアからの利用を見込んでいるものと思われます。

　ただし、純粋に船橋～柏間で増発が行われるとは考えにくく、日中時間帯に関しては毎時急行列車２本＋普通列車４～５本の運行になるのではないかと予想しておきます。

　また、東北新幹線や上越・北陸新幹線への乗り換え客もターゲットではないかと当ブログでは考えます。

　まず船橋駅から利用する場合、総武快速線で東京駅へ出るのが一般的ではないかと思われますが、東京駅での乗り換えは総武快速線の発着ホームが地下にあることから、どうしても乗り換えが煩雑になってしまいます。

　同様なことが新鎌ヶ谷や柏から上野駅に出て乗り換える場合にもいえます。特に上野駅の新幹線ホームは地下深い場所にあるため、注意が必要となっています、

　これが大宮駅ならどうか？というと東武の大宮駅とJRの大宮駅は若干離れていますがそこまでではありませんし、東西を結ぶ連絡通路に出てしまえばあとは一本道ですから迷いようがありません。

　ちなみに東京～大宮間を新幹線に乗らない場合、そのぶん特急料金も少し安くなります。

　運行時刻は以下の通りです。なお、平日ダイヤに比べて土休日ダイヤの方が直通の運行時間帯が長くなっています。

平日ダイヤ

土休日ダイヤ

朝夕ラッシュ時：船橋～柏間で運行

　朝・夕夜間ラッシュ時間帯は柏～船橋間で急行列車を毎時２本運転 します。

　急行運転や列車の増発により、特に船橋方面への速達性・利便性が向上することで、 柏市や松戸市周辺から都心・２３区東部のＪＲ総武線沿線エリアへ乗換回数の減少と所要時間の短縮が期待できるため、通勤客の増加が期待されます。

　なお、運用数に関しては朝ラッシュ時の六実止まりの普通列車を柏行急行列車に置き換える形になると思われるので、運用数の増加はないものと思われます。（夕夜間ラッシュ時は純増となるものの、朝ラッシュ時のみの運用で車庫に入る車両を使いまわせばよい）

　 運行時刻は以下の通りです。

平日ダイヤ

土休日ダイヤ

区間急行の新設

　朝夕ラッシュ時と土休日夜間の大宮～柏間において、運河～柏間各駅の列車頻度を確保するために、「区間急行」を新設します。停車駅は大宮、岩槻と春日部～柏間の各駅です。

　なお、平日は2往復のみの運行となっており、土休日の運行が中心となっています。時刻表は以下の通りです。

平日ダイヤ　

土休日ダイヤ

「アーバンパークライナー」の運転区間を拡大

　ＪＲ線と接続し乗降人数の多い柏駅において、特急「アーバンパークライナー73号」（柏 23:17発、春日部 23:57着）を平日に1本新設します。停車駅は柏・流山おおたかの森・運河～春日部間の各駅です。なお、運河～春日部間は特急券なしでフリー乗車できます。

　また、平日大宮発運河行きの現行の特急「アーバンパークライナー2号」は、改正後は特急「アーバンパークライナー72号」（大宮22:44発）とし、現在春日部まで無停車のところ岩槻に新規停車します。

　岩槻で普通列車に接続しますので、大宮から岩槻～八木崎間へのご利用にもお使いいただけるようになります。停車駅は大宮、岩槻（新規停車）、春日部～運河間の各駅です。春日部～運河間は特急券なしでフリー乗車できます。

　いずれも特急料金は大人320円、子供160円となっており、何だか特急券というよりは着席保障のライナー券のような値段ですね。

　なお、本改正にあわせて平日の浅草20:30発特急「アーバンパークライナー1号」（大宮行）は春日部止まりとなり、特急「スカイツリーライナー7号」として運転します。また、平日の浅草21:30発特急「アーバンパークライナー3号」（大宮・野田市行）は特急「アーバンパークライナー71号」とし、野田市行は柏まで運転区間を延長します。（延伸区間の停車駅は急行と同じ）

終電の大幅繰り下げ

　今回のダイヤ改正では、他社線との接続駅における平日最終列車の繰り下げを行います。

　他社線と接続する駅の平日最終列車を最大34分繰り下げることで、深夜帯の都心からの帰宅がより便利になります。

　つくばエクスプレスの最終列車と接続する流山おおたかの森駅では深夜1時の最終列車も登場します。

※運行状況により接続しない場合があります。

今後はどうなる？

　今回東武野田線全線での急行運転の開始と終電の大幅な繰り下げの実施ということで利便性は大幅に向上しますので、東武野田線沿線の不動産の分譲事業はかなり捗ることになりそうですし、今後沿線に大型商業施設の誘致というのもありそうな話です。

　次に大幅な動きが有るとすれば10000系の転用または60000系の新造により東武野田線で8000系の運行が終了したときでしょう。現在の60000系は8000系がいるためにソフトウェアで車両の起動加速度を8000系の性能に合わせて2.23 km/h/sとしているそうで、8000系がいなくなれば起動加速度を10000系に合わせて2.5 km/h/sまで引き上げ、東武野田線自体のダイヤを10000系・60000系に合わせて設備の能力を最大限に引き出せるよう引き直すのではないかと思われます。