2024年春に行われるダイヤ改正の内容をまとめました。今回はJR北海道編となっております。小規模なものに留まった今年のダイヤ改正とは異なり、主要特急4列車の全車指定席化や快速「エアポート」の毎時6往復化とそれに伴う普通列車の減便などかなり大規模なダイヤ改正となります。
主要特急4列車で全車指定席化
来春のダイヤ改正で以下の列車を全車指定席化します。
- 北斗(札幌~函館)
- すずらん(札幌~東室蘭・室蘭)
- おおぞら(札幌~釧路)
- とかち(札幌~帯広)
また、札幌~旭川を運行する特急「カムイ」・「ライラック」についても指定席を増結し、自由席は2両に縮小します。
「おトクなきっぷ」大幅リニューアル、座席未指定券導入
2024年からの特急「北斗」・「すずらん」・「おおぞら」・「とかち」の全車指定席化にあわせ、これらの特急列車(区間)に設定する「おトクなきっぷ」をリニューアルし、現在の「乗車券往復割引きっぷ」や「北斗オプション特急券」・「すすらんオプション特急券」の発売を終了し、「えきねっと」限定の割引きっぷ「えきねっとトクだ値」「お先にトクだ値」に統一し、イールドマネジメントシステム(予測乗車率に合わせ金額が変動)を導入します。
全車指定席化する特急列車区間では、全車指定席化以降乗車分に対する自由席タイプのおトクなきっぷに追加できる「グリーン料金券」と「指定料金券」の発売を終了しするほか、乗車列車が未定の場合などにより座席の指定を受けずに普通車指定席の空席を利用できる「座席未指定券」(指定席特急券と同額)を導入します。
このほか、特急「カムイ」・「ライラック」の指定席拡大にあわせ、自由席往復割引きっぷ(Sきっぷ)の設定がある区間に「えきねっとトクだ値」を新規設定します。
全車指定席化する特急列車区間の特急定期「かよエール」については、全車指定席化以降乗車分から普通車指定席の空席をご利用いただけるほか、乗車日の 3 日前から話せる券売機やみどりの窓口で追加料金なく座席指定を受けられるようご利用条件を見直し、商品名を特急定期券「かよエール+」とします。
全車指定席化に伴い新たに特例新設
今回の全車指定席化に伴い、東室蘭~室蘭間は普通列車として直通運転している特急「すずらん」は札幌~室蘭間の全区間を特急列車としての運転に変更します。なお、東室蘭~室蘭間の相互間を乗車する場合に関しては、乗車券のみで普通車指定席の空席が利用可能です。
石勝線の新得~新夕張間に関しては特急列車のみの運行となっているため同区間の相互利用に限り乗車券のみで特急列車の普通車自由席に乗車可能となっていますが、全車指定席化以降は普通車指定席の空席をご利用ください(空席が無い場合はデッキなどでの立席となります)。
トマム駅で取得する「QRコード乗車駅証明書」による自動精算サービスについても、全車指定席化に伴い普通車指定席の空席を利用できるサービス(空席がない場合はデッキ等での立席利用)として継続します。
kitacaエリアが拡大、旭川・函館で使えるように
ダイヤ改正に合わせICカードKitacaのエリア拡大を行い、利便性を向上します。新たに函館本線の函館~新函館北斗と岩見沢~旭川間の各駅で利用可能となります。
快速「エアポート」毎時6往復化、区間快速新設
札幌・小樽方面と新千歳空港を結ぶ快速列車「エアポート」については、新千歳空港の利用者が増加していることをふまえて日中時間帯については毎時6本の運転とします。うち毎時1本は停車駅の少ない「特別快速」として運転するとともに、毎時2本は「区間快速」とし北広島~新千歳空港間は各駅に停車します。また、日中時間帯の快速「エアポート」については手稲~小樽を各駅停車とし、札幌~小樽間の各駅停車の運転を毎時1本減便します。
深夜時間帯に新千歳空港23:21発手稲行き(手稲0:16着)特別快速を増発することで、最終を28分繰り下げ深夜帯の航空機からご利用いただけるようになります。なお、札幌~手稲間は各駅に停車し、南千歳駅では苫小牧行き(南千歳23:33発)に、札幌駅では岩見沢行き及びあいの里公園行き最終列車(札幌23:59発)に接続します。このほか、19時台の快速「エアポート」1本を特別快速にし速達化します。
「エアポート」の増発と「区間快速」の設定に伴い日中時間帯の千歳線の普通列車は運転区間を変更し、札幌~北広島間の普通列車を毎時2本・千歳~苫小牧方面の普通列車を毎時1本(ワンマン)とします。北広島~千歳間については普通列車の運転を取りやめます。
このほか、桑園駅に新たに快速列車を停車させます。小樽方面快速列車と学園都市線を桑園駅で乗り換えることで、45本中27本が札幌駅での乗り換えより1本前の列車に乗車可能となり、合わせてタ通動時間帯の混雑緩和を図ります。
快速「ニセコライナー」は小樽~手稲間について各駅に停車します。また、札幌~江別間は日中時間帯の運行を毎時3本に減便します。
737系・H100系追加投入
岩見沢~旭川間で運行されている721系やキハ40形を置き換え、737系とH100形を投入します。これに伴い、朝晩の札幌方面への直通列車を除き岩見沢~滝川間で新たにワンマン運転を行います。普通気動車からの置き換えにより、滝川6:33発旭川行きは6:45発となり最大14分の速達化となります。また、夕方の滝川~深川・旭川間で上下各1本増発するほか、ご利用状況に合わせて日中時間帯の一部列車を取りやめます。
石北線(上川~網走間)と釧網線に H100 形を投入し、同区間のキハ40・54 形を全て置き換えます。上川~網走間の 34 本すべてを H100形に置き換え、キハ 40 形と比べて留辺蘂~北見間で最大6分・北見~網走間で最大9分速達化します。旭川~北見間の特別快速「きたみ」を1両から2両編成とします。釧網本線では釧路発網走行き「しれとこ摩周号」で車窓が楽しめる区間の減速運転を行い、ご利用の少ない早朝と夜間の一部列車を取りやめます。
根室線の輸送体系見直し、無人駅の廃駅進む
根室本線は一部区間の廃止に先立ちダイヤ改正から滝川~富良野~東鹿越間は富良野折返し運転とし、4/1の廃止で多くのご利用が見込まれる富良野~東鹿越間では日中時間帯に1往復増発します。「狩勝」など快速列車3本全てを普通列車化し分かりやすいダイヤとするほか、滝川~富良野間では日中時間帯の増発と夜間帯の一部列車の取りやめを行います。
また、利用が少ない石勝線の滝ノ上駅など5駅を廃止します。