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 りんかい線から八高線へと活躍の場を移し今日まで働いてきた209系3100番台。しかし、209系・E231系の転属改造が行われており、ついに今秋のダイヤ改正を前に運用を離脱することが決定的となりました。今回は209系3100番台の数奇な運命と今後の展望について考察していきます。

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最初は70-000形としてりんかい線で活躍

70-000形
引用:70-000形

 最初はりんかい線の一部区間のみの開業だったこともあり、4両編成4本での運用が行われていました。 後に、列車増発のため1999年に1本、2001年の天王洲アイルまでの延伸開業に伴いさらに1本が増備されています。

 その後、2002年12月に大崎駅までの全線が開通し、この時に埼京線・川越線の乗り入れ用に10両編成、線内折り返し用が6両編成に増強されました。 この時に10両編成4本と増結用中間車16両が新造され、これにより10両編成5本(計50両)と6両編成5本(計30両)の合計80両体制となり、この体制が2004年10月まで続きます。

全編成の10両化で余剰となり、八高線へ

 2004年10月にダイヤ改正に併せて全編成の10両編成化を実施しました。5次車として付随車2両×3本を増備して6両編成5本のうち2本を解いて電動車ユニット2両と付随車2両を残りの3本に組み込みました。これにより10両編成8本の体制となり、残りの6両の行方に注目が集まりました。

205系
引用:205系

 ちょうどその頃、八高線の103系を置き換える目的で山手線で運用されていた205系が徐々に転入していましたが、途中で計画の変更があり、埼京線に10両編成を1本追加で配置することになりました。これにより、八高線の103系を置き換える205系の本数が足りなくなるという事態が起きてしまいました。

209系3100番台
引用:209系

 結局70-000形が209系に準拠した設計であったことも幸いし、JR東日本がさきの余剰車を購入。ついでに2005年3月に電動車ユニット2両を新造(これが209系最後の新造車)し、4両編成2本(ハエ71・72編成)として八高線で運用されることになりました。JR東日本が東京臨海高速鉄道から購入した6両は、民鉄・第三セクター鉄道に在籍していた車両がJR車籍に編入された最初の例となっています。

 なお、編入・八高線での運用にあたっては以下のような改造が施工されています。

  • 外観ラインカラー、前面部分のカラーリングを209系3000番台に準拠したものへ変更
  • 前面行先表示器を字幕式からLED式に変更
  • ドアスイッチの設置を伴う半自動ドア機能の追加
  • ATC装置の撤去とATS-P形パターン変更・ATS-Sn形の設置
  • 準備工事のみであったEB装置とTE装置の本設
  • VVVFインバータ装置とブレーキ制御装置、制御伝送装置の改修など
  • ハエ72編成の中間車の案内表示器は千鳥配置となっていたが、八高線へ転用の際に中間車の案内表示器も未設置の箇所に追加で設置

 ハエ71編成は先頭車が70-000形からの編入車、中間車は新造車となっています。ハエ72編成は全車が70-000形からの編入車となっていますが、 中間車は2002年に製造されたもので、りんかい線で走っていたのはわずか2年となっています。

209系500番台とE231系0番台転用で離脱へ

E231系 八高線
引用:E231系

 しかし、中央・総武緩行線で運用されていた209系500番台とE231系0番台が転用されたことに伴い、八高線で運用されていた205系と209系3000番台はすでに運用を離脱。205系は一部が富士急行へ譲渡、209系は1編成が訓練車に改造され、残りの3編成は現在も留置中です。(転属に関して考察した記事がありますので、「209系3000番台の今後は転用?廃車?」もご覧ください)

 現在、209系500番台の転入は完了しており、E231系は残り2編成が転入の予定です。このうち既に1編成は到着しており、残りの1編成も9月末には出場の予定となっています。これにより、209系3100番台を八高線の運用を離脱する模様です。

 9/21追記:昨日ハエ71編成が豊田へ疎開回送されました。今後に関しては現時点では未定です。

10/10追記:八高線用E231系の最後の編成も改造完了し、先日川越まで回送されました。これにより、近日中にハエ72編成にも何らかの動きがあると思われます。

11/3追記:ハエ72編成についても10/24に運用を離脱し、10/28に豊田に疎開回送されました。今後については未定です。

https://twitter.com/KIMU_KIMU_N35/status/1181567707512262659

今後はどうなる?廃車が濃厚か

 八高線の運用を離脱した209系3100番台の今後については恐らく廃車になるものと思われます。八高線で運用されている209系3500番台・E231系3000番台が現在ワンマン化対応工事を順次受けており、この工事が完了次第両編成とも引退するでしょう。

 209系3000番台については武蔵野線や南武支線への転用の可能性も考えられましたが、本形式は特殊なこともあり、廃車となってしまう可能性が濃厚です。せめて1両くらいは大宮の鉄道博物館に展示してほしいところですが…

追記:2022年始で離脱か?さよならイベント実施へ

https://twitter.com/jtsue802/status/1474592112088084481
https://twitter.com/ilandrailway/status/1475847962979102720

 すでにハエ71編成は運用を離脱し、ハエ72編成も定期運用から落ちたらしいという情報が入ってきています。1/8・9に川越車両センターで行われるイベントが最後の活躍の場…ということになりそうですね。

まとめ

 209系3100番台の活躍も残りわずかとなってきましたので、撮影や乗車はお早めに行うことをお勧めします。果たして今後ほかの線区で活躍するのか?それとも廃車になってしまうのか?続報を待ちたいところです。