2016年に発生した台風10号の影響で現在も不通が続いている東鹿越駅~新得駅間ですが、復旧工事が進むことが無くどうなるのか注目が集まっていました。残念ながら今年1月に行われた会合で沿線4自治体の首長と同社がバス転換の議論を進めることで合意したことで富良野~新得間がバス転換されることがほぼ決定的となりました。実現した場合、整備新幹線開業に伴う並行在来線の3セク化ではない純粋な廃止による本線の分断ということになります。
バス転換が事実上決定…
旅客収入が低迷し、2016年8月以降、台風被害で一部不通となっているJR北海道の根室線富良野―新得間(81.7キロ)について、沿線4自治体の首長と同社がバス転換の議論を進めることで一致したことが29日、関係者への取材で分かった。事実上の存続断念となる。台風前の1日当たりの利用人数(輸送密度)は154人だった。
富良野市内で28日に会合が開かれ、同市、南富良野町、占冠村、新得町の市町村長とJR北海道の幹部らが議論の方向性を確認。同社は「あるべき交通体系に向けた大きな判断を感謝する」とコメントした。
同区間には、ドラマ「北の国から」の第1話で、田中邦衛さんが演じた黒板五郎らが降り立った布部駅や、高倉健さん主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」で「幌舞駅」として登場した幾寅駅などが含まれる。作品の“聖地”が消えてしまうことで、名残を惜しむファンも多そうだ。
引用:「北の国から」「鉄道員」聖地どうなる!?…JR根室線 富良野―新得間バス転換へ
台風による被災後も不通区間の復旧が進まなかったことから何となく察している方々が多かったと思いますが、やはり富良野~新得間はバス転換されることとなりました。なお、このままバス転換された場合、本線が新幹線の開業による並行在来線の3セク化ではなくバス転換による廃止となる初のケースとなります。
当初は帯広・釧路方面へのメインルートだったが…
石勝線が開業するまでは特急も経由するなど主要路線として力を発揮していましたが、1981年の石勝線の開業後はお情けで?急行「狩勝」が2往復残されるものの、それも1990年のダイヤ改正で快速列車へ格下げ。以降は普通・快速列車のみとなってしまい、完全にローカル線へと転落してしまいました。
地域輸送だけでは厳しかったのか?やはり年々本数が削減されていってしまいましたが決定的だったのはやはり台風による被災でしょう。石勝線がある中わざわざこちらを復旧しても需要は知れているわけで、並行するバス路線で十分代替も可能…というのが大きかったのでしょう。
似たような経緯で不通が続いていた日高本線は一足先にバス転換されました。JR北海道が「自社単独で維持することが困難な路線」に指定した中で特に利用者が少ない(輸送密度200人未満)残りの1つである留萌本線はどのような形になるのか?注目が集まります。