西武鉄道は車両のVVVF化促進のため、サステナ車両として東急電鉄の9000系と小田急電鉄の8000系の譲渡を受けることを発表しました。一体どのようなものになるのでしょうか?
苦しい西武鉄道の状況で…
西武鉄道では本線系統でこそ新型車両が継続的に投入され置き換えが徐々に進んでいましたが、支線区では現在でも新101系や2000系、4000系などの旧型車両が引き続き運行されていました。
そんな中、2022年に打ち出した西武グループ中期経営計画の中で塗装不要な車体を使用したインバーター制御車両の中古車を「サステナ車両」として他社から譲渡を受け支線区の車両も順次置き換えを行うことが発表されていました。鉄道ファンの間ではどの車両が譲渡されるのか議論が尽きませんでしたが、遂に譲渡車両が判明することになります。
本命だった東急9000系
こちらはおそらく本命視されていたと思いますが、東急電鉄の大井町線で活躍している9000系が譲渡の対象になりました。ステンレス車体ですし、車内に関しても2005年以降に更新工事を施工済みということである程度長期の使用となるでしょうね。2025年度以降の投入で、投入線区は多摩川線・多摩湖線・西武秩父線・狭山線となります。
譲渡数についてですが、9000系の全編成を4両編成に短縮して譲渡される模様です。9020系に関しては機器に差異があることから現時点で譲渡は行われない模様。
意外だった小田急8000系の譲渡
これに対して意外だったのが小田急8000形の譲渡でしょうか。恐らく希望としては2000形か3000形の初期車を希望していたのでしょうが、折り合いがつかなかったと思われます。こちらの車両もステンレス車体という条件こそ満たせませんでしたが、車内は大規模なリニューアル工事を施工済みで足回りも小田急3000形と共通のIGBT-VVVFとなっているのが譲渡の決め手になったのでしょう。
8000系は6両編成7本が導入予定で、来年度以降国分寺線に導入される模様です。
他に噂となった候補は…
一時期譲渡の噂が絶えなかったりんかい線の70-000形ですが、西武への移籍は残念ながら成立しませんでした。りんかい線自体も結構勾配のきつい路線ですし、乗り入れ先の埼京線も含めて結構走りこんでいる印象なので、予想よりあまり状態が良くなかったのでしょうか?
都営三田線で運用されていた6300形初期車の譲渡も予想には上がっていましたが、こちらも結局成立しませんでした。都営地下鉄は東京都が運営しているため、車両の譲渡となると廃車解体よりも手続きが面倒なのかもしれません…
新宿線でも10-300形の1次車などがあっさりと後継に置き換えられて廃車解体されているのを見るに、譲渡は今後基本的にはやらない方針なのかもしれませんね…