JR全線の普通列車・快速列車に乗車できるという、フリーきっぷの中では最も有名なきっぷのひとつである「青春18きっぷ」。しかし、利用を考えている人たちの中には購入方法や利用方法がわかりづらい、どの列車に乗車できるのかを知りたいという方もいると思います。そこで今回は青春18きっぷの値段・利用可能期間といった概要や利用可能列車・特例などの基本的ルールを解説していきたいと思います。
青春18きっぷの概要
「青春18きっぷ」の主な特徴は以下の通りです。
- 全国のJR線全線の普通列車・快速列車に乗り放題(私鉄や新幹線・特急列車には以下で挙げる特例を除き乗車不可)
- 5回分(5日分)セットで11,850円(1日あたり2370円)
- 春・夏・冬の3シーズンで利用可能
北は北海道から南は九州まで日本全国のJR線に乗り放題という、まさに太っ腹なきっぷですね。新幹線や特急列車に乗車不可という制約は存在しますが、1日あたりたった2370円で乗り放題ですので、様々な使い方ができます。
利用可能期間・発売期間
青春18きっぷは通年で利用できるわけではなく、春・夏・冬の特定期間に限って利用できます。
利用期間 | 発売期間 | |
---|---|---|
春季 | 3月1日~4月10日 | 2月20日~3月31日 |
夏季 | 7月20日~9月10日 | 7月1日~8月31日 |
冬季 | 12月10日~1月10日 | 12月1日~12月31日 |
利用期間と発売期間が同一ではないことには注意しましょう。利用期間の終盤に使いたいと思って発売期間がすでに終わっていることも十分ありえます。そのような悲劇を避けるためにも、利用を考えている場合は、発売期間の間に購入するようにしましょう。
有効期間と値段
有効期間は5日間(5回分)です。5回分セットでの販売となり、1日分(1回分)ずつの購入はできません。利用可能期間内であれば、連続した5日間でなくても利用できます。また、青春18きっぷは、利用可能期間ごとに発売され、利用可能期間をまたがっての利用はできません。
青春18きっぷの値段は11850円です。1日分(1回分)あたり2370円ということになります。注意点としては、青春18きっぷには、大人用と子供用の区別がありません。 子供(小学生以下)でも青春18きっぷを利用できますが、大人と同額になります。
購入するには?
主な購入方法としては、JRのみどりの窓口で購入するか、JRの指定席券売機で購入するかのいずれかとなります。
基本的には、JRの駅で購入することになります。駅にみどりの窓口などの切符を売る窓口があれば、その窓口で青春18きっぷを購入できます。
最近はみどりの窓口が閉鎖される駅が増加していますが、窓口がなくても、指定席券売機があれば、青春18きっぷを購入できます。
購入には、現金とクレジットカードが利用できます。ただし、クレジットカードで購入した場合、払い戻しができる場所が制限されます。原則として、購入したのと同じ会社でしか払い戻しができません。例えば、JR北海道の駅でクレジットカードを使って購入した青春18きっぷを、JR東日本の駅で払い戻すなどといったことは不可です。
乗車できる列車は?
青春18きっぷで乗車できる列車は、以下のとおりです。
- 全国のJR線の普通・快速列車の普通車自由席、BRT、JR西日本宮島フェリー
- 普通・快速列車として運転される列車の普通車指定席には、別途指定席券を購入することで乗車可能
- 普通・快速列車として運転されるライナー列車は、ライナー券を別途購入で乗車可能
- 普通・快速列車のグリーン車自由席は別途グリーン券購入で乗車可能(グリーン車指定席は乗車不可)
基本的には、JRの乗車券以外の料金不要の列車には青春18きっぷだけで乗車できるということです。ですので、「特別快速」や「新快速」などにも乗車することは可能です。
普通・快速列車の普通車指定席であれば指定席券を別途購入することで乗車可能です。例えば、JR各社のリゾート列車やSLなども全車指定席の快速列車として運転されている例が多くあります(SLやまぐち、ムーンライトながらなど)。これらの列車であれば、青春18きっぷと指定席券で乗車可能です。
また、首都圏などで走っている普通・快速列車のグリーン車自由席であれば、青春18きっぷとグリーン券で乗車可能です。
例外
青春18きっぷには、特急列車やJR以外の路線の乗車できる特例が一部あります。
特急に乗れる路線
青春18きっぷでは基本的には特急列車に乗車できませんが、ごく一部ですが例外があります。普通列車が全く走っていない、または普通列車の本数が極めて少ない区間に限って、青春18きっぷでの乗車を認めている のです。
会社名 | 路線 | 区間・乗車できる列車 |
---|---|---|
JR北海道 | 石勝線 | 新得~新夕張の特急列車 |
JR東日本 | 奥羽本線 | 青森~新青森の特急列車 |
JR九州 | 宮崎空港線 | 宮崎~宮崎空港の特急列車 |
JR九州 | 佐世保線 | 早岐~佐世保の特急列車 |
注意点としては、特例として認められた区間内の相互発着の場合に限って有効なことです。認められた区間外にまたがって特急列車に乗車する場合、全区間の乗車券と特急券が必要になります。
また、青春18きっぷのみで乗車できるのは普通車自由席のみで、普通車指定席やグリーン車は利用できません。
一部の三セク路線は通過利用に限ってOK
青春18きっぷでは、特例として一部の第三セクター路線に乗車することができます。東北新幹線や北陸新幹線の開業に伴って並行在来線が第三セクターの鉄道会社に移管されています。その影響で、他のJR線と接続していない、孤立したJRの路線が出来てしまいました。JR東日本の大湊線・八戸線とJR西日本の氷見線・城端線・七尾線が該当します。
このような孤立路線に乗車できるように、一部の三セク路線への乗車が特例として認められています。なお、特例の区間内であっても下車できる駅以外で下車すると、別途三セク路線の乗車券が必要となります。
鉄道会社名 | 青春18きっぷで乗車できる区間 | 下車できる駅 |
---|---|---|
青い森鉄道 | 青森~八戸の通過利用 | 青森・野辺地・八戸 |
あいの風とやま鉄道 | 富山~高岡の通過利用 | 富山・高岡 |
IRいしかわ鉄道 | 金沢~津幡の通過利用 | 金沢・津幡 |
まとめ
いかがでしたでしょうか?青春18きっぷを利用してのんびりとした旅を楽しむというのもよいと思います。それでは皆様、良い旅を。