209系やE231系への置き換えが進行する中、武蔵野線の生え抜きとして活躍を続けてきた最後のメルヘン顔編成「M65編成」。本日運用を離脱し、インドネシアへ譲渡されることとなったので、武蔵野線のメルヘン編成のこれまでをまとめたいと思います。
最後のメルヘン顔編成が離脱
本日の65E運用を以て運用離脱した模様です。お疲れさまでした。
メルヘン顔の歴史
この顔の編成はまず京葉線に投入され、翌年に武蔵野線にも投入されることになります。沿線にある東京ディズニーランドをイメージしてデザインされたものとなっており、ステンレスと周囲(額縁部)をFRP材で構成したものから、前頭部全体をFRP成形品で覆う構造としたものに変更されている。塗色は京葉線用は白色、武蔵野線用は銀色となっています。また、京葉線・武蔵野線で運用される列車は京葉線の急勾配に対応するため、いずれも6両の電動車ユニットをつないでいます。(京葉線…6M4T、武蔵野線…6M2T )
のちに京葉線用の車両はE233系に置き換えられ、日光線の107系と宇都宮線(小金井~黒磯)の211系を置き換えるために4両へ短編成化の上宇都宮へ転属しました。
車椅子スペース・トイレの設置や寒冷地対応として客用ドアレール下部へレールヒーターを設置、客室暖房器の容量増強、半自動ドアの設置、 空気圧縮機への耐寒対策の実施、付帯する除湿装置にヒータの追加が行われました。 パンタグラフについてははシングルアーム式(PS33F形)に交換し、併せて霜取り用第2パンタグラフを増設しています。
また、日光線で運用されることから、急勾配対策として抑速ブレーキと耐雪ブレーキの追加、主抵抗器の容量増大や電動車への砂巻き装置の追加が行われています。
その後、1編成が「本物の出会い 栃木」デスティネーションキャンペーン実施に合わせ2018年に改造され、観光列車として日光線で運用されています。
車体は乗降口を片側2扉のみとし、塗装やデザインも日光エリアの自然や観光施設、 日光の社寺の彫刻などで扱われる様々な動物をモチーフとしたものとなっています。
車内は大型クロスシートに変更の上つり革は木を使用したものに交換(優先席付近を除く)し、大型荷物置き場やフリースペースも設置されています。 ドア上には案内表示器が新設され、外国語表記にも対応しているほか、車いすスペースが1か所から2か所に増やされ、バリアフリーが強化されています。またFree Wi-Fiを導入し、観光情報などが得やすい空間となっています。
武蔵野線用の編成はどうだったのかというとメルヘン顔の編成はわずか5編成で打ち止めとなり、以降は山手線から改造・転用される5000番台の投入を待たなければいけませんでした。
山手線からの転入車に関しては種車の関係上電動車が不足してしまい、このため従来よりも大きな性能が出せるVVVF制御に改造されており、これで4M4Tでの運用を可能としています。この際、どうしても電動車の数が足らなくなってしまい、やむなくM35編成も5000番台に改造され、モハユニットを供出しています。
この他にも、武蔵野線で運用されている編成はいろいろといわくつきの編成が多いため、詳しくは上の動画を視聴していただけると少しはお分かりになるかと思います…
運用離脱、インドネシアで第二の人生を送る
しかし、E235系が山手線に導入されることに伴い、中央総武線で運用されていた209系500番台とE231系が転用されることになり、武蔵野線で運用されていた205系については順次インドネシアへ譲渡されることとなりました。
205系のインドネシア譲渡が進み、生え抜き編成はM65編成が残るのみとなっていましたが、本日運用を離脱。今後インドネシアで第二の人生を送ることとなるでしょう。
まとめ
今回のM65編成離脱で武蔵野線の生え抜き編成が遂に消滅することとなり、1つの区切りを迎えたといってもよいのかもしれません。今後の205系のインドネシアでの活躍に期待したいところですね。ただ、インドネシアは高温多湿な環境のため、そこが気がかりなところではありますが…