1998年の運行開始以来、京浜急行の代名詞となっていたドレミファインバーターの通称「歌う電車」。しかし、車両に搭載している機器の更新に伴い徐々に歌う電車は数を減らしていき、現在は1033Fが唯一となっています。そして、1033Fも今夏を以て機器更新が行われることにより「歌う電車」が京急から消滅することとなりました。一体どんな車両だったのでしょうか?
「歌う電車」の始まりは2100系
「歌う電車」の始まりは2000形に代わる京急電鉄のフラッグシップとして登場した2100形です。2ドアクロスシートの豪華車両として泉岳寺~三崎口間の快特や優等列車「ウィング号」としての運用に充当されていましたが、制御装置にシーメンス社製のGTO-VVVFを採用。モーターを制御するインバーターの振動ノイズをドレミファソラシドの音階に聞こえるよう調節されており、「歌う電車」として鉄道ファンなどに親しまれてきました。後に新1000形の1・2次車も同様の制御装置を採用しています。
順次更新が進み、1033Fのみに…
しかし、シーメンス社の本社はドイツにあり、日本製の部品と比べて保守面で不利な面が次第に目立つようになり、機器の更新時期を迎えた車両から順次日本製の部品に交換することとなります。2100形は2008年の2165Fから施工が始まり、2015年に行われた2133Fの更新を以て完了。
続けて新1000形も順次更新を実施し、現在「歌う電車」は1033Fのみとなっています。なお、最初に更新が行われた1001FはフルSiC-VVVFを初めて採用したわけですが、これが原因で直通先で誘導障害が起こったのか?現在に至るまで1001Fの都営線方面への直通は行われておらず、1009F以降の編成では2100形の更新の時同様の東洋電機製のIGBT-VVVFへの更新が行われています。
1033Fに関しても今夏以降に更新工事が行われるとのことで、こちらの車両が更新された場合「歌う電車」は消滅ということになります…
特別貸し切り列車が運行される
ラストランはしばらく先か
なお、京浜急行のホームページでは運行予定が発表されており、7/19に関しては以下の運用に入ることになっています。
- 青砥0836←0640京急久里浜
- 青砥0846→1053三崎口
- 京成高砂1254←1106三崎口
- 京成高砂1305→1453三崎口
- 青砥1647←1506三崎口
- 青砥1708→1913三崎口
- 品川2037←1926三崎口
- 品川2055→2211三崎口
- 京急久里浜2233←2221三崎口
ラストランの日時に関してはまだ発表されていませんが、恐らく今夏中と思われますので、まだ乗っていない方はお早めに。