来春のダイヤ改正から函館山線で運行を開始するH100形気動車。2020年以降も車両の増備を続けて、最終的にはキハ40系列全車の置き換えを行うこととなっています。一方、既存の車両との併結が不可能という欠点もあり、単純に投入して置き換えるのか?という疑問もあります。今回はJR北海道が保有する普通列車用気動車のまとめと今後のH100型配属と既存車両の転属の予想をしてみました。
現状の配置は?
現状の配置は以下の表の通りです。なお、苗穂で定期運用を持たないキハ40の 300・330番台の6両とH100型量産先行車2両はこの表から除いています。
キハ40 | キハ143 | キハ150 | キハ201 | キハ54 | |
函館運輸所 | 15 | ||||
苫小牧運転所 | 26 | 10 | 10 | ||
苗穂運転所 | 13 | 7 | 12 | ||
旭川運転所 | 32 | 10 | 14 | ||
釧路運輸車両所 | 29 | 14 |
来春のH100型気動車運行開始でどうなる?
来春のダイヤ改正でH100形気動車が函館山線のワンマン列車全列車と札幌→然別の列車1本で運行を開始すること、札沼線の非電化区間が廃止となることから、苗穂運転所のキハ40は全車廃車となる見込みです。また、キハ150については苫小牧に転属し、苫小牧のキハ40を置き換えることが予想されます。これを反映した表が以下の通りとなります。
キハ40 | キハ143 | キハ150 | キハ201 | キハ54 | H100 | |
函館運輸所 | 15 | |||||
苫小牧運転所 | 19 | 10 | 17 | |||
苗穂運転所 | 12 | 15 | ||||
旭川運転所 | 32 | 10 | 14 | |||
釧路運輸車両所 | 29 | 14 |
2020~21年の60両投入でどうなる?
今後の投入を考えると、まず一番可能性が高いのは旭川運転所ではないか?と考えます。ここのキハ40とキハ150を一気に置き換える可能性は高そうです。そうなると札幌~旭川の回送連結用キハ40運用も要らなくなります。これでねん出したキハ150は函館への転属と予想します。また、留萌本線については2020年度をめどに廃止する方針を示していますので、この区間で運用されていたキハ54が余剰となり、これもキハ40の置き換えに回ることが予想されます。
次に配属の可能性が高そうなのは苫小牧と予想します。両数的に釧路に配属の可能はそこまで多くなく、また函館は将来的に三セクへ転換されるためここへの新車配置はないと予想しました。
キハ40 | キハ143 | キハ150 | キハ201 | キハ54 | H100 | |
函館運輸所 | 15 | |||||
苫小牧運転所 | 10 | 12 | 22 | |||
苗穂運転所 | 12 | 15 | ||||
旭川運転所 | 14 | 38 | ||||
釧路運輸車両所 | 29 | 14 |
最終的にはどうなる?
最終的にどうなるかは想像しづらいですが、室蘭本線の架線下DCの運用に関してはJR北海道が2両編成のワンマン電車の新製を検討していることから、これで置き換えが行われる可能性もありそうです。そうなると、今後数年のうちにキハ40同様老朽化が進んでいるキハ141系が置き換えられる可能性は高いので、 こちらの記録や乗車も早めに行っておいた方がよさそうです。
また、キハ150についてはいさりび鉄道への譲渡、北海道新幹線開業の際に廃線が予想される函館山線で運用されているキハ201系は廃車または函館本線の経営分離された区間を担当する第三セクターへの譲渡が予想されます。おそらく、函館に所属する733系は新しいこともあり、JR北海道から経営分離の際には札幌へ引き上げる可能性が高いでしょう。
そのころになるとキハ54の老朽化も進行してくることから、恐らくキハ54についても廃車とすることが見込まれます。最終的にはJR北海道の普通列車用気動車はH100形気動車で統一される可能性が高いでしょう。
まとめ
今回のH100形気動車投入により、キハ40系列だけではなく、最終的にはほかの車両も置き換えられる可能性が高いことが判明しました。なので、キハ40系だけではなく、他の車両についても記録や乗車はこまめに行っておいた方がよいと思われます。