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 2021年6月に重大な車両故障を起こしてから2年以上動きが無かった9000系試作車の9101F。先月に森林公園検修区の構内を移動する姿が目撃され動向が注目されていましたが、10/16~17にかけて北渡瀬へ廃車回送が行われました。

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9000系の試作車として登場

【迷/名列車で行こう】東上線池袋口最古参にして最強の異端児 ~東武9000系9101F~

 9000系は東京メトロ有楽町線への直通運転用として製造され、9101Fは試作編成として1981年11月に登場しました。東上本線と有楽町線との直通運転が始まるのは1987年のことでしたが、それまでに習熟運転を行うことや数多くの新機能を取り入れるため、試作編成での問題点の洗い出しを目的として早くも1981年末には運転を開始しました。

 東武鉄道の車両としては初の10両固定編成となったほか、車体には軽量ステンレス素材を採用、制御方式にも東武鉄道初となるAFE(自動界磁励磁)式主回路チョッパ制御装置・回生ブレーキ併用の全電気指令式電磁直通制動を採用しました。また、通勤車としては初の自動式前面・側面行先表示器が採用されるなど数多くの新機軸が導入され、東武東上線の新時代を告げるものとなりました。

https://twitter.com/Paptimus0222/status/1711639422255735072

 登場からしばらくの間量産は行われず試作車のみの異端車となっていましたが、長期間の走行試験で問題点の洗い出しか終わったことや技術の向上に伴い1987年5月~8月に量産車6本(9102F~9107F)が落成。後に1991年に増備車として9108Fが登場しましたが、こちらは補助電源装置にGTO素子を使用したSIVを採用し、車体側面もビードプレス加工となるなど外観が10030型に準じたものとなりました。

 また、有楽町線新線が1994年12月に開業することに伴いマイナーチェンジ車として9050系(9151F・9152F)2本が登場しました。制御装置にGTO-VVVFインバータを採用し、補助電源装置にはIGBT素子のSIVを採用。台車もボルスタレス台車を採用したほか、内装も大幅に変更され、新製時から自動放送装置や乗降ブザー・ドアチャイムを装備しています。

9101Fのみ副都心線直通対応から外れ、唯一の未リニューアルに…

 その後時は流れ、2008年の副都心線開業に備え9000系の量産車や9050系は順次50000系に準じた内装や行先表示機のフルカラーLED化、保安装置のATO対応やパンタグラフのシングルアームパンタ化が行われました。

 しかし、9101Fは有楽町線への直通運転時に故障が頻発していたことや量産車とのドア位置の差異が問題となり、副都心線への直通対応工事は行われませんでした。2008年の副都心線開業時のダイヤ改正で原則として地下鉄直通運用からは外され、その後有楽町線各駅にもホームドア設置・ATO導入が行われることとなったことから、2010年5月ごろをもって有楽町線への乗り入れを終了し、地上線の専属運用となっていました。

ATC化は乗り越えるも、重大な故障で遂に命運尽きる…

https://twitter.com/Narukatsu201new/status/1713828054605430883

 東武東上線のデジタルATC化に伴い9101Fは廃車予定となっていましたが、その後9000系に故障が相次いだためか?9101Fにも2014年にATC準備工事が施工され、デジタルATC化を無事に乗り越えました。このまま、他の9000系列と東武東上線の輸送を支えていく…と思われたのですが、2021年6月に重大な故障を起こし、その後は休車状態に。残念ながら再起は叶わず、先日北渡瀬へ帰らぬ旅に出ることとなりました。

 その後中間車が脱車され両先頭車のみが連結された状態となっていますので、恐らくこの2両が保存されるのではないか?と思われます。

罵声大会は無かったが、キセルやずる休みは多数居た模様

https://twitter.com/Asaka_38b/status/1714125684656976005

 幸いなことに線路内侵入や罵声大会は起こらなかったものの、中高生が平日にも関わらず学校をズル休みして撮影に赴いたりキセル乗車をしている者がやはり居たようですね。最低限のマナーやルールすら守れず、自分さえよければそれでいいという撮り鉄の姿勢がよくわかります。本当にどうしようもないですね~